【レビュー】
ASUSマザーボードのAI機能を検証する
3 AI BIOSとQ-Fan Technology
2004/04/23
AI機能の注目される機能としては、AIオーバークロッキングの他にも「AI BIOS」という機能がある。この機能には「CrashFree BIOS 2」「Q-Fan Technology」「ASUS POST Reporter」という3つが含まれるが、この中でもっとも有用と思われるのは2つめの「Q-Fan Technology」だろう。この機能は昨今ではもはや定石となりつつある、PCの静音化に必要なファンコントローラと等価な機能を持ち、CPUクーラーの冷却ファン回転をBIOSもしくはOS上から制御可能にするものだ。
このQ-Fan Technologyであるが、このしくみについて説明しておくと、現状の多くのマザーボードにはハードウェアモニタチップが実装されているが、このチップには予めファンコントロール機能がついているものが多い。だがほとんどのマザーボードではこのファンコントロール機能を使用せず、ファン電源に直接+12Vを供給している。その理由はファンコントロール機能を付加するとマザーボード単価が上昇するためであるが、これまではせっかく用意された機能も多くは無視された状態であった。だが今ではファンコントロール機能が重要な機能とみなされ、ようやくこの機能が有効にされるようになってきたのである。
話がそれてしまったが、P4C800E-Deluxeの場合ではハードウェアモニタチップにWINBONDのW83627THFというSuperIOチップが使用されている。このチップでは他の多くのモニタチップがPWM(Pulse Width Modulation)方式を用いているのに対して、DAC(Digital Analog Converter)を利用しているのが特徴で、以下のようなロジックでファン回転をコントロールする。
上のロジックの動作だが、ハードウェアモニタチップのファンコントロールレジスタに制御データ 0/16〜15/16 をセットすると、そのデータに応じてファン制御出力端子(DACOUT)は0〜5Vの信号を出力する。この信号はファン駆動電源とレベルが異なるので、一旦変換する必要があるが、これを行うのがOP-AMP LM358である。このOP-AMPは非反転増幅モードで使用され、ゲインは2.4倍となっている。つまり入力に0〜5Vを加えれば、出力は0〜12Vとなりファン駆動電源と同レベルの出力となる。だがこのままではファンを回転させる電力が不足するため、OP-AMPの出力に一段トランジスタを接続することで電力を強化し、ファンを回転させることができるようになっている。
Q-Fan Technologyとしてはこのようなロジックで構成されるが、この機能を使用する場合は、BIOSのHardware Monitor画面中の「Q Fan Control」項目を「Enable」にセットし、下部の「Fan Speed Ratio」を15/16〜11/16のいずれかから選択することで、ファン回転を低速にして、ファンのノイズを低減させることができる。なおQ Fanではあまりにも低回転に設定してファンが停止してしまうのを防止するため、設定値は11/16までに制限されているようだ。
またWindowsからファン回転をコントロールしたい場合があるかと思われるが、P4C800E-DeluxeではBIOSのみ設定が可能で、Windows用のユーティリティというのは特別に用意されていなかった。マザーボードマニュアルではセンサ表示ユーティリティ PC Probeでファン回転を制御できるよう記載されているのだが、この最新バージョン 2.22.06を使用してもファン回転制御項目は現れず設定は不可であった。そこでファンコントロール用のフリーソフトとして知られる SpeedFan Ver4.11 が使用できるかどうか試してみることにした。
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ファンコントロールが可能なフリーソフト SpeedFan Ver4.11 |
SpeedFan Ver4.11を動作させてみたところ、ややカスタマイズが難しかったが、CPUクーラーのファンを回転制御できた。SpeedFanのSpeed02という項目を変更していくとCPUファン回転数がそれに応じて可変した。上図では規定値2800RPMのファンを80%の回転数に設定した例であるが、この時回転数は1865RPMとなりファンは十分低騒音となった。
このようにAI BIOSの中で特に重宝しそうなQ-Fan Technologyであるが、BIOSからの設定でも実用的なものの、もし可能であればWindowsユーティリティの提供が望まれる。今回はフリーソフト SpeedFanで動作確認ができたが、このソフトはカスタマイズが難しく万人向けとは言い難い。せっかく便利なQ-Fan Technologyが用意されているのだから、それに対応した操作しやすいユーティリティがあるともっと便利になるだろう。
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