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【レポート】

DAF東京2004 - 内外のデジタルアートやデジタルガジェットに夢中

2 チャットをしないとお肉が焼けない?

2004/08/09

山田久美

末田航氏、石井孝治氏による「コミュニケーショングリル・ちゃんぐ亭」は、チャットをしている間だけ発電する電熱器で、新しい形のネットワーク家電だ。焼肉を食べたいと思ったら、その人は、同じテーブルの向かいに座っている人や隣に座っている人とチャットをし続けないとならない。
「インターネットやケータイは人と人とをつなぐ便利なコミュニケーションツールですが、いつでもつながっているという安心感を与えてくれているように見えて、実は、そのつもりになっているだけで、本当はつながっていないのではないかと思うんです。そうかと言って、使わないというのはポジティブではないので、同じ技術を使って、もっと、同じ時間、同じ場所を共有できるような新しい形のコミュニケーションツールは作れないものか考え、この作品を作りました。人とつながるためのモチベーションは色々ありますが、ここでは、"食欲"にスポットを当てています。つまり、ともすれば希薄になりがちなデジタルコミュニケーションと、食欲とを組み合わせることで、人と人とのつながりがより親密になり、わかりあえることを目的としているんです」(末田氏)。

末田航氏、石井孝治氏による「コミュニケーショングリル・ちゃんぐ亭」は、チャットをしている間だけ発電する電熱器。これぞ新しい形のネットワーク家電?

作者のひとり、末田航氏

神里亜樹雄氏、柴田知司氏、真下武久氏による「Moony」は、スチームを使用したインスタレーション。プロジェクターを使って、スチームに「蝶」の映像を投影するという斬新な作品で、非常に神秘的で、筆者自身は、今回、最も感動した作品のひとつであった。実際に見てみないとこの感動が伝わらないのが非常に残念で歯がゆいところである。

神里亜樹雄氏、柴田知司氏、真下武久氏による「Moony」はスチームを使用したインスタレーション。プロジェクターを使ってスチームに「蝶」の映像を投影するという斬新なもの。非常に感動しました!

石渡誠氏の「VACUUM PACKING!」は真空パックを体験できるという作品で、マスクをかぶり装置の中に入ると、空気が抜かれていき、回りの白い膜がどんどん自分に迫ってくる。外から見ると、中に入っている人のシルエットが徐々に浮かび上がってきて、体験者だけでなく観ている側の人も楽しむことができる作品だ。

石渡誠氏の「VACUUM PACKING!」は"真空パック"という貴重な体験ができる

宇田敦子氏の「hands-on movie」はNHK教育テレビ「うごく絵じてん」の中の「インタラクティブ」コーナーでシリーズとして放送されている作品で、画面の指示に従い、画面に指を置いたり、息を吹きかけたりすることで、さまざまな仕掛けを楽しむことができるというもの。従来の"インタラクティブ"とは多少意味合いが異なるが、コンテンツに視聴者が参加するという意味ではインタラクティブな映像作品である。シンプルでわかりやすく、今までありそうでなかった興味深い作品だ。

宇田敦子氏の「hands-on movie」。画面の指示に従って指を画面に置くと、傘を開いたり、おばあちゃんに「気持ち良いね〜。小遣いあげにゃならんね〜」とほめられたりする

制作集団エアブレーキによる「妖怪ヤミワラシ」は、人の背中にしがみつき、目隠しをして視野を奪うという作品。最初は何も見えないが、歩くことによって視野が広がり、歩く速度に応じて視野がさらに拡大するしくみになっている。しかし、止まると再び視野は奪われる。「この作品には、"長い人生、時に立ち止まってしまうこともあるけれど、1歩踏み出す勇気を出さなければ、進むべき道は見えてこないし、前進し続けないと、道は開けていかないよ"というメッセージが込められています。実際、自分たちの制作活動において、うまくいかない時期を長く経験する中で、自らへのメッセージとして制作した作品なんです」(エアブレーキ)。

制作集団エアブレーキによる「妖怪ヤミワラシ」は人の背中にしがみつき、目隠しをして視野を奪うという作品。しかし歩くことで視野が広がる

また、同集団による「ノトリガエシ」は蓑の妖怪をイメージした作品で、ノトリガエシにとりつかれることで喋ることが困難になるというもの。実際に作品を頭にかぶると、自分の声が1/100秒遅れて自分の耳に戻ってきたり、同じ音節が繰り返し聞こえてきたりする。そのことにより、自分を見つめ直す機会にしてほしいというメッセージが込められているという。

エアブレーキによる「ノトリガエシ」は蓑の妖怪をイメージした作品。実際に作品を頭にかぶると、自分の声が10ミリセカンド遅れて自分の耳に戻ってきたり、同じ音節が繰り返し聞こえてきたりする


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