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【レビュー】

デジタル写真を紙焼きのように扱える画像管理ソフト「Picasa」

1 デジカメ時代に求められる写真の管理とは

2004/11/11

美崎薫

手触り感覚を重視したナチュラルなインタフェースをもつ画像管理ソフト「Picasa」が、Googleからフリーで配布されている。使ってみるとたいへんおもしろく、示唆に富んでいる。

日常的に写真を撮る時代

デジタルカメラやカメラ付き携帯電話が一般化して、日常的に写真を撮る時代がやってきた。筆者は2003年には1年間に41,482枚の写真を撮り、2004年は11月9日までに53,077枚の写真を撮っている。

平均すると、2003年は1日約110枚。2004年は約170枚というハイペースだ。1日200枚になるとイチロー並みかと思っているのだが、なかなか200枚の壁は厚い。聞くところによると一部の研究者の間では、1日100枚写真を撮るときの写真の単位が「1ミサキ」と呼ばれているそうだ。単位に名前を残すことができて感無量である。ぜひ広めて使っていただきたい。「今日すごいたくさん写真撮っちゃった〜。旅行してると増えちゃうんだ」「どれくらい?」「1ミサキ(=100枚)」とか、「今日何枚写真撮った?」「0.1ミサキ(=10枚)」とかというように使うのである。

一生に撮る写真の枚数は……

デジタル時代の人は一生に20万枚くらい写真を撮ると筆者は予測している。計算式は簡単で、0.1ミサキ(10枚)/日×365日×70年=255,500枚(美崎の予測式1)。ちょっと多めという方なら、1日10枚くらいは撮っているだろう。1カ月に1回なにかのイベントで写真を撮るような人の場合、0.5ミサキ/1回×12カ月×70年=42,000枚(美崎の予測式2)となる。こういうペースでも、4万枚だ。爪に灯を点すようにして36枚撮のフィルムを使っていたカメラの時代は、遙か遠くに過ぎ去ったことを実感する。

写真を一生撮り続けるとすると、量を扱える環境で扱わなければ、実用にならない。現時点でそれほどの写真をもっているユーザーはまだ多くはないだろうが、これだけデジタルカメラがポピュラーになってしまえば、量が問題になってくるのは時間の問題である。すでに写真/画像を合計して68万枚も所有しているのは筆者のような人だけだとしても、1996年ごろにデジタルカメラが本格的にヒットしてからすでに8年。予測式1で計算すると、29,200枚くらいはもっているユーザーがいてもおかしくない。

「量」を扱う

量を扱える環境とは、具体的には、

  1. 量が増えても動作/反応速度が落ちない
  2. サムネイルの作成などの処理は自動化してバックグラウンドで動作する
  3. 多くの中から抜き出す作業を簡単に行える
  4. 解像度を変えてWebやメールに公開しやすい

などの条件を満たしているということである。こうした観点で、既存の写真ソフトを見ると、なかなか思うようなソフトがないことがわかる。銀塩かデジタルかということ以上に、写真に対する環境のパラダイムが変わっているのに対して、既存のソフトの進歩は遅い。

上限のあるソフトもある

通常、写真用のソフトというと、1枚1枚の写真をレタッチしたりするところにフォーカスされていることが多く、数枚の写真を抜き出して比較したり、マーキングして一時的によけておいたりといった、紙焼き写真を扱うようにアナログな作業をすることを考えていないことが多いのである。

「Adobe Photoshop Album」は、一度に扱える写真枚数の上限が約65,000枚に限られていて、今年のペースなら筆者にとっては1年でパンクしてしまう分量だ。つまり筆者の用途では評価できないのだが、作る側がそれに気付いていないか、こういった用途を想定していないところが不思議だ。「普通の人はそんなに撮らない」と考えていると、あっという間に市場の変化に置いていかれる可能性もある。

そこに登場したのが、Googleが買収してフリーで配布している「Picasa」だ。

フォルダ・シームレス

Googleはサーチエンジンとして押しも押されもしない存在にのし上がったいっぽうで、ツールバーや画像検索、ニュースなどさまざまなインターネットポータルサービスへとサービスを展開しているのだが、その次世代環境のひとつがこのPicasaである。

Picasaのメイン画面

Picasaを使って最初に感じる、従来の画像ソフトともっとも異なる点は、サムネイルの展開がシームレスで、フォルダごとの切り替えになっていないことである。逆にいうと、従来のソフトは、Windows標準のエクスプローラに始まり、ほぼすべてが、ほとんど無批判に、フォルダごとに切り替えて内容を表示していた。


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