【レポート】
RSA 2005 - スパイウエア対策ソフトの無償提供、IE7.0を発表 - MS基調講演
2005/02/16
カリフォルニア州サンフランシスコで始まったセキュリティ関連の総合カンファレンス「RSA Conference 2005」で、MicrosoftのBill Gates会長がオープニング基調講演に登場。「Internet Explorer(IE) 7.0」の提供やスパイウエア対策ソフトウエア「Windows AntiSpyware」の最終版の無償提供を発表するなど、セキュリティ強化に向けた同社の今後の取り組みについて説明した。
この日の基調講演は、「最近、私が巻き込まれた非常に興味深いセキュリティのトラブルを紹介したい」という話から始まった。1月末に開催されたダボス会議(世界経済フォーラム年次会合)に出席したGates氏は、いたずら書きをしたメモを置いたまま席を離れてしまった。そのメモを発見したプレス関係者が、いたずら書きの主をGates氏ではなく、隣に座っていた英Blair首相だと勘違い。メモは筆跡鑑定家や心理学者の手に渡り、その結果、Blair首相は「リーダーの素質に欠ける」「集中しようと苦心している」「プレッシャーを感じて緊張している」などと分析されてしまった。
結局、メモ騒動に気づいたGates氏が自分のメモであることを発表して、Blair首相の信頼は回復したのだが、専門家の目を持ってしても別人のメモであることは見抜けなかった。うっかりしていると情報は漏れるし、それが思わぬトラブルを引き起こす。こじつけ気味だが、セキュリティに関しては「これで十分」ということはない。今回の講演のタイトルは、「よりハードルの高いセキュリティ」である。
Microsoftは昨年8月にセキュリティ強化を主目的とした「Windows XP Service Pack 2(SP2)」をリリースした。Gates氏によると、すでに世界規模で1億7,000万コピー以上が配布されているそうだ。SP2が提供する機能の中でも、特にIEのセキュリティ強化はユーザーから肯定的な反応を得ているという。それだけWebブラウジングはユーザーにとって重要な作業であり、「豊かな機能と拡張性を提供しながら、なおかつユーザーを保護するのが、我々のチャレンジになっている」とGates氏。その結果、IE7.0の投入を決めたそうだ。
「これはWindows XP SP2を利用している人たちのためのInternet Explorerである」とGates氏が述べる通り、IE7.0はWindows XP SP2上で動作する。ユーザーが期待する拡張性や互換性を維持しながら、フィッシングやマルウエア対策を強化するなど、SP2のセキュリティ・レベルを向上できるように設計されている。中には次期Windows「Longhorn」(開発コード名)での提供を予定していた機能も含まれるそうだ。同社は今夏にIE7.0のベータ版をリリースするとしている。
同社が1月6日にベータ版をリリースしたWindows AntiSpywareは、これまで600万コピー以上がダウンロードされ、ユーザーから貴重なスパイウエアに関する情報が寄せられているという。最近では、ポップアップ広告の表示というような単純な迷惑行為にとどまらず、より巧妙で悪質なスパイウェアが増えている。これらはPCのパフォーマンスを著しく低下させ、さらには個人情報の盗難など深刻なトラブルに発展する可能性がある。Windowsの価値を引き下げる要因にもなるため、同社は個人向けのWindows AntiSpywareの無償提供にふみ切った。ビジネス顧客向けには、より複雑な環境をサポートできるスパイウエア・ソリューションを有償で用意する。
長期的な視点では、「セキュリティ・アップデートを使って、ユーザーが常に最新のソフトウエアを利用できるエコシステム作りがセキュリティ強化策のカギになる」としている。ソフトウエアアップデート・サービスやWindowsアップデートを通じて、ソフトウエアが自動的に更新されるPCの数は2004年に400%増加。同社は自動アップデートのさらなる普及を目指して、消費者および小企業向けの統合アップデート・サービス「Microsoft Update」のベータ版を3月半ばに提供開始する。Microsoft Updateの対象となるのはWindows XP、Windows 2000、Windows Server 2003、Office 2003、Exchange Server 2003などで、セキュリティ・アップデートを一元的に行える。また、中・大企業向け統合アップデート・サービス「Windows Update Services」の最終版を2005年上半期中に利用可能にする。これによりシステム管理者は、より幅広いMicrosoft製品を対象にしたアップデートを、迅速に社内のネットワーク全体に適用できるようになる。
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