【レビュー】
Athlon 64 X2 3800+の性能を確認する
4 ベンチマーク(3) / 考察
2005/08/10
エンコードベンチマークその1(TMPGEnc 2.524.63.181/DivX Create 6.0)
TMPGEnc Net
http://tmpgenc.net/
DivXNetworks, Inc.
http://www.divx.com/divx/
やはりデュアルコアの本命はエンコードである。今回からDivXを6.0に切り替えることにしたが、5.xと6.0では設定項目がやや異なる関係で、今回からは以下のパターンでテストを行う事にする。
| パターン | テスト内容 |
|---|---|
| (1) | TMPGEncを使い、352x240ピクセル、29.97fps、1150Kbps CBRのMPEG-1エンコード |
| (2) | TMPGEncを使い、720x480ピクセル、29.97fps、7000Kbps CBRのMPEG-2エンコード |
| (3) | TMPGEnc+DivXを使い、Home Theater Profile、720×480ピクセル、4Mbps CBRエンコード、コーデックパフォーマンス=「バランスの取れた品質」 |
| (4) | TMPGEnc+DivXを使い、Portable Profile、320×240ピクセル、768Kbps 2-pass VBRエンコード、コーデックパフォーマンス=「バランスの取れた品質」 |
以前のテスト基準はコチラに示したもので、大きな違いはフレームレートが設定できない(Profileの選択で一意に決まってしまう)点だ。
さて結果はグラフ14に示す通りである。MPEG-2のエンコードのみ、ややPentium Dに遅れをとっているものの、その他のテストにおいてはほぼ最高速をマークしていると言ってよい。従来だとDivXがMultithreadに対応していない関係でやや遅くなる傾向があった訳だが、DivX 6ではある程度MultiThread対応になったのか、特に2-passでは8割以上の高速化が実現されている。その割に1-passでは余り高速化されていないところを見ると、DivX 6.0でもME(Motion Estimation:動きベクトルの検索)自身はMultithread化されておらず、ME、MC(Motion Conpensation:動き補償)、DCT、Quantizeといった処理単位でのMultithreadが行われている様だ。この結果、MEの負荷が大きいと余り効果的ではないのであろう。
エンコードベンチマークその2(TMPGEnc 3.0 XPRESS 3.3.1.101日本語版)
PEGASYS, Inc.
TMPGEnc 3.0 XPRESSはVer.3.3.1.101で正式にIntelのPentium D/Pentium XEに対応したことを表明したが、生憎このバージョンは日本語版のみであり、この関係で日本語版のWindows XPを用意することになった。
さて結果はグラフ15に示す通りである。Athlon 64 X2 3800+はかなり健闘しており、Athlon 64 4000+は勿論の事、Pentium 4 650を上回る成績を出してはいるが、Pentium D 820にやや劣る(当然Pentium D 830には及ばない)というスコアになっている。この結果は、以前のデュアルコア特集における結果と通じるものはあるが、よりPentium Dのスコアが上がった感じであり、いまいちAthlon 64 X2には苦手なテストと言って良いかもしれない。
エンコードベンチマークその3(Windows Media Encoder 9 英語版)
Microsoft
http://www.microsoft.com/
最後、グラフ16がWindows Media Encoder 9での結果である。こちらはグラフ15とは逆に、全てのケースでAthlon 64 X2 3800+が最高速をたたき出している。Pentium D 830もかなり健闘してはいるが、一歩及ばずといった印象である。勿論シングルコアの製品は足元にも及ばない数値であり、この点でのデュアルコアの優位さは間違いない感じだ。
考察
そんなわけでエンコードを中心にざっと見てきたが、初めてのデュアルコアとしては手ごろな製品ではないか? というのが筆者の感想である。価格は(3万を切るまで下落したPentium D 820は別にすると)4万円台だから極端に高い訳ではないし、3Dには不向きとは言ってもAthlon 64 3200+相当の性能は間違いなく出るから、GeForce 6600 GTクラスと組み合わせる程度ならば支障はない。想定ユーザーは「エンコードすることが割と多いが、普段はWebやMail/ワープロ/表計算がメイン、たまにゲーム」というあたりだろうか? こうしたユーザーには、Athlon 64 4000+よりも多少安く(Athlon 64 4000+の実売価格は現在5万前後)、それでいてエンコードに関してはAthlon 64 4000+よりも高速なのだから、言う事はないだろう。またBIOSさえ対応すれば、既存のSocket 939ユーザーはそのままCPUの差し替えだけで行ける(消費電力が低いから、110W対応の電源回路を搭載していないマザーボードでも動作する)あたりも嬉しい点だ。
Pentium Dとの比較で言えば、アプリケーションによって優劣はあるが、概ねPentium D 830と同等以上といったところで、このあたり価格のバランスは取れていると思う(Pentium Dの実売価格は現状4万弱)。従ってどちらを選ぶかはユーザーの好みの問題ではあるが、デュアルコア特集の消費電力測定でPentium D 820とAthlon 64 X2 4800+を比較してもPentium D 820の方が消費電力が多かった事を考えると、Athlon 64 X2 3800+の方が消費電力が少ないのは間違いない。測定を行ったわけではないが、CPUの温度は概ねAthlon 64 4000+を使った場合と大差なく、冷却を強化する必要は感じなかった。今年の夏は非常に暑い事もあるし、無理に発熱の多いほうを選ばなくても良いのでは? というのが筆者の結論である。
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