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【レポート】

CEATEC JAPAN 2005 - HD DVD・Blu-ray双方のキーパーソンが優位性をアピール

2 Blu-ray Disc対応のHDDレコーダーやビデオカメラが来年には一気に増える?

2005/10/15

佐藤晃洋

一方、後に行われたBlu-ray Disc陣営の講演はパネルディスカッション形式。パネリストとしてはBlu-ray Disc Association(BDA)を代表してソニーの西谷清氏、20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメントのローイ・キャネル氏、松下電器産業の小塚雅之氏の3氏が登場し、この3氏にAV評論家の麻倉怜士氏がいろいろと質問していくという形式でセッションが進められ、前半は主に録画用媒体としてのBlu-ray-R/RE、後半がBlu-ray-ROMに関する話題が語られた。

前半の録画用媒体の議論に関しては、西谷氏が「DVDでは放送されたものをディスクに入れる際に再エンコードが発生し多少画質が劣化するが、Blu-rayでは放送と録画したものの画質が全く変わらないのが利点」と語ったほか、キャネル氏も「Blu-rayでは作者が見せたいものを忠実に出せる」と語った。ただ現時点でHDD内蔵のBlu-ray Discレコーダーはシャープからしか発売されていないため、麻倉氏が「早くHDD内蔵のレコーダーを出して欲しい」と要望すると、小塚氏は「Blu-ray ROMの規格が固まるのを待っていたために発売が遅れているが、ROMの規格が年内には確定するので、来年にはHDD内蔵のレコーダーを発売したい」と語り、シャープ以外からも近日中にHDD+Blu-ray Discのレコーダーが発売される見通しとなった。

ソニー 西谷清氏

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント ローイ・キャネル氏

松下電器産業 小塚雅之氏

麻倉怜士氏

このほかBlu-ray Discを搭載したハイビジョン対応のビデオカメラの可能性について麻倉氏が質問すると、西谷氏が「放送用の画質では1時間で約10GBぐらいの容量が必要になるので、8cmのBlu-ray Disc(1層)だとそのままなら録画時間は30分ぐらいになるが、実際にはわざわざハイビジョン用のカメラを買うような人は放送よりもきれいな画質を求める人が多いと思われるので、そのあたりをソニーとしても考慮したい」と語り、今後の製品化に当たって画質と録画時間のトレードオフの部分のバランスをどう取るか悩んでいる様子を見せた。ただ小塚氏も「DVDカムが売れたのは、自分の撮ったものがすぐにDVDプレイヤーで見られることが大きなメリットだったためで、その点Blu-rayでは最初から録画用の媒体が規格化されており、一つでカムコーダもプレイヤーも全部賄える」としてBlu-ray搭載ビデオカメラの製品化に意欲を見せていたので、案外そのような製品の登場は近いかもしれない。

Blu-ray ROMはビットレートの高さとJava採用が売り

後半はBlu-ray ROMについての議論に移り、小塚氏が冒頭で「既に規格自体はほぼ完成していて、現在は内容の検証作業中」「DVDの時は検証作業が不十分だったために初期に互換性の問題が出たりしてしまったので、今回はやや慎重に検証を行っている」と語った。

そんなBlu-ray ROMのメリットとしてパネリストが一致して挙げたのが「ビットレートの高さ」。麻倉氏はDVDの時の例を引き合いに出し「当初DVDでは映像は5Mbpsぐらいが標準と言われていたのが、その後に『SuperBit』(ソニー・ピクチャーズが発売している高画質DVD)でビットレートが8.5Mbpsぐらいに上がったものを見たらもう標準には戻れなくなった」と述べ、Blu-ray Discでは標準で36Mbpsに上がるビットレートに期待する姿勢を見せた。

小塚氏は「我々はこれ(Blu-ray Disc)が最後のディスク規格のつもりで作っている」と述べた上で「我々はMPEG-4 AVCに注目しており、既に研究所では400インチのディスプレイで見てもほとんどロスがないところまで追い込んでいる」「オーディオを96kHzの24bitでサンプリングするとそれだけで13Mbpsぐらい食ってしまうが、Blu-rayならそれでも十分帯域に余裕がある」と語り、36Mbpsという帯域幅を最大限に活用したい意向を示した。ただ西谷氏は「最近のソニー・ピクチャーズの映画の予告編(Trailer)は40Mbpsぐらいで作っているが、製作者側からは100Mbpsでも足りないと言われる」と語っており、いずれはBlu-ray Discといえど倍速化が必須になってくる可能性が高いが……。

Blu-ray Discの規格化の現状

またインタラクティブコンテンツの分野では、Blu-ray ROMがJavaを採用した点について小塚氏が「DVDの時は映像とコンピュータの両方ができる人が当時ほとんどいなかったので、実際にものが出てくるまでに時間がかかったが、Javaなら既にプログラマが一杯いるし、ネットワーク対応という点でも楽」と語ったほか、西谷氏が「芸術家の方のためにすごく大きなキャンパスを用意しました」と述べるなど、Javaの採用によって早期にそれを活用した具体的なコンテンツが登場してくることに期待する姿勢をあらわにした。

Blu-ray陣営のコピーワンス問題やアナログ出力、不正コピーへの対応は?

ちなみに昨年の同セッションで麻倉氏が発言して業界で話題を呼んだ、デジタル放送のいわゆる「コピーワンス問題」についても話が及んだが、西谷氏は「今回我々が発表した製品(HDDレコーダ)ではPSPへの番組出力機能を持っているものがあるが、これは録画時にMPEG-2とMPEG-4 AVCの2つのフォーマットで同時記録して、PSP側にはMPEG-4 AVCの部分のみを移すという、ちょっと抜け道的な方法を取っている」と語るなど、メーカー側でもこの問題に苦しんでいる内幕を垣間見せた。

麻倉氏が考えるコピーワンスに伴う諸問題

西谷氏は「きちんとコントロールされれば、個人に利便性にかなったものがいろいろあると思う」と語ったほか、キャネル氏も「我々も一ユーザであり、デジタルになって規制が発達するとは考えないし、個人的なテレビの録画に反対する気はない」と語ったが、一方でキャネル氏は「デジタルの世界ではなぜか『急に親戚が増える』という問題があり(笑)、何百人もの親戚にデータをコピーされるのは困る」とも語っており、なかなか問題解決に向けたうまい方法は見つからないようだ。

不正コピー絡みではアナログ出力を認めるかどうかという問題も大きなポイントだが、小塚氏は「技術的には既にアナログ出力を制限する仕組みはあるが、我々としてはアナログでも出力を出せるようにするためにAACSを導入した」と語ったほか、西谷氏も「HDMIを採用しようが、本気でコピーしようとする人はコピーするだろう」と述べた上で「むしろそのような信号からBlu-ray-Rなどを作れないようにすることが必要ではないか」と語り、規制としてはいわゆるカジュアルコピーの防止程度で十分でありそれ以上の強化は必要ではない、との意見が大勢を占めていた。


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