マイコミジャーナル

知りたい!を刺激する総合専門サイト


  1. ホビー

  2. レポート
  3. 中国における中小ネットゲーム企業の「憂鬱」

【レポート】

中国における中小ネットゲーム企業の「憂鬱」

1 中国の中小ネットゲーム企業の現状を代表的な2社から探る

2006/04/28

西山楓

最近、北京にあるいくつかの中小ネットゲーム企業への取材をした。それまでは盛大、九城、金山、網易、新浪といった大手ゲーム企業しか知らなかった筆者だが、これだけ多くの中小ネットゲーム企業が活躍していることを初めて知った。とりわけ経営のコツを的確に捉えた中小ネットゲーム企業などは、がっちりとユーザーのニーズを掴み、激しい市場競争に生き残り、成長してきていた。しかし、中小ネットゲーム企業を取り巻く経営環境はいたって厳しい。以下、代表的な2社の事例を皮切りに、中国における中小ネットゲーム企業の状況や今後の展望などについて簡単に述べてみたい。

1995年に設立された目標軟件(北京)有限公司(Object software)は、中国大陸で最も早くハイグレードゲームソフト及びマルチメディアソフトの開発を手がけた企業のうちの1社だ。同社はゲームソフトの開発及び製造を機軸として、技術力とサービス展開力を活かし、すでにコンピューターゲーム、ネットゲーム、テレビゲーム、マルチメディア教育及びビジネスアプリケーションソフトなどの分野にまで業務の裾野を広げている。企業規模も、最初は数人のプログラマーしかいなかった小さな会社であったが、いまでは100名近くの社員を抱え、いくつもの知的財産権を保有する中国国内で指折りのゲームソフト研究開発企業にまで発展している。

新空気軟件有限公司(Magus Soft)は、現在中国国内で最も先進的なモバイル向けネットゲーム及び娯楽製品の開発出版事業者だ。同社は2001年1月に設立、すでにコア技術及び市場シェアの両面で目を見張るような成長振りを見せている。同社は、同時に中国で最大規模のダウンロードゲームソフトの開発業者でもあり、モバイルゲームソフトを設計開発し、これを運営キャリア、モバイル端末メーカーならびに末端ユーザーに提供している。同社がリリースしたゲーム製品は、多くのゲームプロトタイプ、及び目下流行中のモバイルネットゲームプラットフォーム(SMS、WAP、J2ME、Brewなど)をカバーし、組み込み式ゲームやダウンロードゲームの開発と製造において独自の優勢を保っている。

2005年のゲームソフト市場を振り返ってみると、依然として何社かの大手メーカーに独占されている状況が続いている。勿論上述の2社のように、中小企業でありながらも、独自技術などにより得意分野で市場シェアを確保できている会社も無くはない。しかしネットゲーム関連の統計データによると、2005年中に180件余りのゲームソフトが発売されたが、ユーザーに歓迎され、存続することができたのはごく少数のものだったという。ゲームソフト分野で自主開発、自主運営をする多くの中小ネットゲーム企業の経営状況がとくに気になるゆえんだ。

中小ゲーム企業の経営難といった状況があるとすれば、政府関係部門の政策と一定の関係があると思われる。たとえば、北京海淀区中関村ハイテクパークにおける新規企業向けの税収優遇政策だ。これは、起業時から向こう三年間を「免税」と定めている。しかし、新たに立ち上げられた中小ゲーム企業にとって、起業時から向こう三年間というのは、ちょうど企業の研究開発期間に当たるわけで、まだ利益が出る段階には入っていないのだ。

三年が経過し、ようやく製品が市場に出始めようとする頃に免税の優遇措置がなくなり、会社はそれまでに研究開発に投じた資金を回収することができなくなり、経営難に陥ってしまうのだ。こうした政府の「優遇政策」はネットゲームの研究開発周期を客観的に認識した上でのものではなく、結果として、ゲーム製品のリリースとともに経営難の兆しが現れてしまうわけである。


画像で見るニュース(ホビー)

特別企画

注目情報


特設サイトの必見情報



注目サイト