【レポート】
2006年に旋風起こしたSaaS、07年は競争激化、個人PCユーザーにも影響?
1 SaaSの興隆 - ASPとの違いは?
2007/01/01
Software as a Service、略してSaaSが2006年に大きく前進した。インターネットを介して、アプリケーションソフトを利用する、この手法の事業分野は市場規模が成長するとともに、さまざまな局面で進化を遂げた。SaaSはいまのところ概ね企業向けが中心だが、今後、一般消費者にも影響が及ぶことが予想される。基本的に、エンドユーザー側のコンピュータにソフトを組み込み、それを稼動して使用するという、従来の「常識」はこれから先、著しく変貌することになるかもしれない。
ネットワーク経由でソフトを使おう、との考え方は以前からあった、特にインターネットが普及し始めて以降、2000年頃には、ASP(Application Service Provider)と呼ばれる事業が脚光を浴びた。ただ、その頃は「サービス」として供給されるというほどには体制が整ってはいなかった。ソフトの期間貸し、と呼ばれることも少なくなかったことは、その一端を物語っている。また、当時は、ブロードバンドの接続環境が未発達であり、Webブラウザも洗練されてはいなかったなどの諸条件から、広く行き渡ることはなかった。
今回のブームを牽引したのは米Salesforce.comの躍進だったといえる。
同社は1999年に創業された。その主力商品である、オンデマンド型CRM(Customer Relationship Management)「Salesforce」は2006年10月末現在、全世界27,100社が採用、ユーザー数は556,000に上っている。SaaS型を導入する企業が得ることのできる利点は、維持、管理、運用、アップグレードなどにかかる、いわゆるTCOコストを抑制できることだ。ユーザーは、自分の手元にソフトを「所有」しているわけではないので、このようなコストはほとんどかからない。さらに、インプリメンテーションの手間も省ける。更新作業も供給側で実行されるため、最新の技術成果を迅速に取り入れることもできる。
かつてのASPは普及することなく終わったのに対し、SaaSは日の出の勢いであるのはなぜか。要するに、ASPとSaaSはどこが異なるのか、との問いが2006年のIT業界ではよく話題として上がった。これにはさまざまな論議がある。実際にはまったく同一のもの、との主張がある。分析すればするほど、厳密にいえば違いは感じられないとの発言も聞かれた。
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