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【インタビュー】

切り絵作家の高木亮氏が展開する「きりえや」プロジェクトとは?

1 独学で始めた切り絵

2007/11/21

木全直弘

「きりえや」プロジェクトとは、切り絵作家の高木亮氏が展開するプロジェクトである。氏が生み出したその作品のひとつが、10月17日に発売された竹書房の「まんがライフ」12月号に掲載された『ティックの大冒険』だ。今回は、個展「まちのおおねずみ」開催のただ中、横浜にあるギャラリー元町に氏を訪ねた。

切り絵作家の高木亮氏

個展「まちのおおねずみ」

高木亮氏のプロフィールは、1971年、香川県高松市生まれ、水瓶座。1992年ごろより独学にてきりえ制作を開始。2000年ごろより「自分が良いと思えるものを、良いと思える形でお客さまに届ける」ため、手刷りのはがきとカレンダーを持ってアートイベントに参加、「きりえや」としての活動を開始。

現在、主にカード等自作商品の製作販売と都内各所でのきりえワークショップを中心に活動。確かな技術をもとに生み出す画風は、叙情的な風景画、ポップなキャラクター、凄みのある人物画など多岐に渡るが、全ての作品の底には常に「かわいくて、おかしくて、ちょっとだけ寂しい」カラーが基調として流れている。

切り絵作家、高木亮氏とは?

――子どものころから、絵はお好きでいらしたんですか?

「ええ、切り絵ではなかったんですけれども、落書き坊主でしたね(笑)。紙があったら、何か描いているという」

――学生時代に絵の勉強をなさったんですか?

「専門の学校には、実は行っていないんです。高校時代、学校は普通科だったんですが美大を志望するコースというのがあって。それである程度、デッサンの勉強とかはやったんですが、ちょっと先生とケンカのようなものになりまして(笑)」

――どういう理由で、ケンカになってしまわれたんですか。

「『こう描かなきゃダメだ』って先生から押し付けられたのに、反発したんだと思います」

――それで、一般の大学に進学なさった……。

「ええ、大学進学を期に上京しました」

――大学では、何か活動をなさっておいででしたか?

「仲間内で冊子を刊行していました。僕が絵を描くのは仲間たちも知っていて、それで表紙の絵を描いてくれと頼まれました。そのとき、たまたま選んだ技法が切り絵だった。やってみて、『これはおもしろい』と気づいたんです。それが、キッカケですね」

――そのとき、なぜ切り絵という技法を選ばれたんでしょう。

「東君平さんという、詩人で絵本作家の方がいらっしゃいまして、その方の作品が大好きなんですが、それが頭にあって自分でもやってみようと思いました」

――すると、切り絵の技法は、どなたかに手ほどきを受けたということではなく……。

「独学ですね」

――その後は、どうされたんですか?

「2、3カ月ごとに、ほそぼそと冊子の表紙を描いていました。あとは、学園祭のとき、部屋が借りられるのをいいことに、勝手に個展を開きまして(笑)」

――その個展が、デビューのキッカケになったわけですね?

「ええ。学園祭の催しに作家の辻仁成さんが招待されていることを知っていたので、あらかじめ手紙を書き送りまして、『一度観に来ていただけませんか』と」

――辻さんの反応は、いかがでしたか?

「後日、電話をかけてきてくださって、『次に始める連載で、挿し絵を描きませんか』とおっしゃっていただきました」

――それが「婦人公論」に連載された辻仁成さんの作品「五女夏音」の挿し絵だったわけですね?

「ええ、1年ほど切り絵を載せていただきました」

依頼された仕事
タイトル 掲載・依頼先 仕事内容
1996 辻仁成『五女夏音』 「婦人公論」連載 切り絵
1996〜98 『きりえ歳時記』 「都政新報」連載 切り絵・文
1999 樋口一葉『テレビ文学館・十三夜』 NHK BS 切り絵
2001 『i-fantasy 高木亮のきりえの世界〜世界の昔話より』全5話 BS-i「i-style」内コーナー 絵コンテ・画(切り絵)
2001〜02 『ワンダーグラウンド』 小学館「小学一年生」連載 原作・キャラクター・コンテ・背景・小道具ほか
2003 『カゲボー』(絵物語) 小学館「キャラピー」創刊号 作・切り絵
2004 『TK TAKEO KIKUCHI』コラボレート - Tシャツデザイン
2004 藍坊主『ヒロシゲブルー』 TOY'S FACTORY CDアルバムジャケットデザイン
2004 『たのしい子どものうた』 東芝EMI CDカバー・ジャケット・ブックレット用切り絵
2005 『叙情歌100』 東芝EMI CDアルバムジャケット用切り絵
2006 山本一力『閻魔堂の虹(前・後編)』 「しゅっぱんフォーラム」 切り絵
2007 『ティックの大冒険』 竹書房「まんがライフ」 切り絵

CD『たのしい子どものうた』。切り絵の世界が子どものうたのイメージに合っている
(C)東芝EMI (C)高木亮

CD『叙情歌100』。切り絵の雰囲気が叙情を誘う
(C)東芝EMI (C)高木亮


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