【レポート】
Add-on-Con - 2009年にWebブラウザ戦争はアドオンに飛び火
1 2009年はアドオン・プラットフォームが浸透
2008/12/15
米カリフォルニア州マウンテンビューにあるコンピュータ歴史博物館で12月11日 (米国時間)に「Add-on-Con」が開催された。Webブラウザのアドオンを焦点とした初のカンファレンスだ。プラチナスポンサーに、アドオンでシェアを伸ばしてきたFirefoxを開発するMozilla、Internet Explorer(IE) 8でアドオン機能を強化するMicrosoftの名前が並ぶ。またChromeへの拡張プラットフォーム追加を予告しているGoogleも参加し、同社はAdd-On-Conに合わせるようにChromeの正式版をリリースした。さながらWebブラウザ戦争が飛び火しているようであり、第1回にしてチケットが完売と、アドオンへの注目の高さがうかがえた。
本稿では大きなテーマのひとつだったビジネスモデルから同カンファレンスをふり返る。
ユーザーとユビキタスな関係を築くアドオン
現時点でアドオンを大きな売上げに結びつけている例は少ない。MozillaのBrian King氏によると、これまでのアドオンはWebブラウザ開発への貢献という点で重要な存在だった。例えばMultizillaによってFirefox開発でもタブ機能が強化され、またTotal Recallがセッション復旧機能に先鞭をつけた。ユーザーがどのような機能を求め、またWebブラウザがどのような方向へ進化すべきかを見極める上で、アドオンが貴重な指針になっているという。
しかしながら今後アドオンの機能ベータ的な色合いは薄れることになりそうだ。IE8が登場し、Chromeにもアドオン機能が追加されるであろう2009年には、アドオン・プラットフォームがWebブラウザをカスタマイズする標準的な手段として一般コンシューマにも浸透し、その市場のビジネス価値が解き放たれるというのがAdd-on-Con参加者の一致した期待だ。
アドオンは常にユーザーのWebアクセスと共にある。開発者にとって、ユーザーとユビキタスな関係を築けるのがアドオンの最大のメリットと言える。そこでビジネスモデルの筆頭として挙げられたのが解析・分析、検索だ。成功例は少ないが1999年にAmazonに買収されたAlexaのように、データ収集・分析の専門サービスとして地位を確立しているケースがある。またアドオンベンダーは小規模であるため、ソーシャル検索エンジンのOneRiotのようにツールバーでの検索トラフィックからの利益で開発を継続することも可能だ。
コミュニティツールバーConduitの場合は、ツールバー用のコンポーネントを通じてWebパブリッシャーからのコンテンツを配信している。パートナーシップがビジネスモデルだ。コンテンツパートナー、特にMLB(メジャーリーグ)のような大規模パートナーは自分たちのコンテンツが目立つように要望してくる。だが、ビジネス色が強まりすぎるとユーザーから嫌われる結果となる。ユーザーにとって便利なツールであるのを第一に、その上でWebパブリッシャーの要望に応えるバランスが重要であると述べていた。
以上のように現状の成功例ではツールバーそのものが売上げにつながっているケースはほぼ皆無であり、ツールバーがサポートするサービス(検索、Webパブリッシャー)が収入源となる。ビジネスモデルの幅は狭いが、媒介であるがゆえにソーシャルネットワーキング、広告、ショッピング、サービス提供など様々な可能性が広がり、規模やリソースの違いに関わらず幅広く参入できるのもアドオンのメリットのひとつとして挙げられた。
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