【レポート】
クラウド時代に欠かせぬ1ピース!? SpringSource買収がVMwareにもたらす効果
2009/09/09
8月10日(現地時間)に米VMwareによる買収が発表され、VMworld 2009でもさまざまな場面でそのテクノロジーが紹介された米SpringSource。同社技術がVMwarでどのように活用されるのか。本稿では、その点について、少し補足しておこう。
SpringSourceについて
米SpringSourceは、米国に本社を置くソフトウェア企業。DI(Dependency Injection)コンテナ(もしくはIoC[Inversion of Control]コンテナ)と呼ばれるJavaフレームワーク「Spring Framework」の開発元として知られ、Javaエンジニアの間では非常に馴染みのある企業である。
CEOのRod Jonson氏は2004年、当時サーバアプリケーションの開発で広く使われていたJava標準技術「Enterprise JavaBeans(EJB)」を、「J2EE Development Without EJB」という著書でバッサリと切り捨て、代替となる「Spring Framework」をオープンソースとして公開。それまでJavaの世界では「標準仕様が先に決められ、それに従うかたちでプロダクトを開発する」という流れで技術が発展していたが、Johnson氏は「プロダクトの開発を先行させ、優れているものを標準に取り込むべき」という主張を続け、革新をもたらした。
その後、同社はSpring Frameworkをベースに多くの機能を付加し、エンタープライズ向けアプリケーション開発に役立つソフトウェア群をリリース。そのサポートサービスを展開するかたわら、JVM上で動作するオープンソースの動的言語「Groovy」の開発元「G2One」、システムをモニタリングするオープンソースのソフトウェア「Hyperic HQ」の開発元「Hyperic」などを買収して、サポート範囲を徐々に広げていった。
SpringSourceでPaaSに参入
そのSpringSourceを、VMwareはどう使おうとしているのか。VMware 2009におけるSpringSourceの説明で繰り返し強調されたのがPaaS(Platform as a Service)である。
その内容は、以下のスライドを見るとわかりやすい。
「VMware vSphere」や「VMware vCenter」をベースとしたIaaS(Infrastructure as a Service)の上にSpringSourceのフレームワーク/アプリケーションサーバを配置し、Javaアプリケーションの開発/実行環境を整備。各社で開発したアプリケーションをクラウドプラットフォーム上でより容易に利用できるようにしようというのが大きなねらいだ。
すでにSpringSourceでは、VMwareによる買収発表後の8月19日(現地時間)、JavaベースのPaaS環境を提供する「Cloud Foundry」を買収することをアナウンスしている。Cloud Foundryは、SpringのプロダクトをAmazon EC2上に配備したPaaS環境。Webサイトから必要なリソースやフレームワークを指定するだけで、開発者が求めるプラットフォームを準備することができるというものだ。
現在の対応プラットフォームはEC2のみだが、VMware対応のプラットフォームにも順次対応していく予定で、基調講演のデモでは、統合開発環境のEclipseからクラウド環境へ直接配備する様子も示された。
PaaSは、MicrosoftやRed Hatなども力を入れて準備している分野。仮想化の分野で一歩先んじているVMwareだが、クラウドという観点で考えると今後はどうなるかわからない。SpringSourceは、VMwareの高い技術力をクラウドというフィールドでアピールするうえで有効なオプションと言えるのかもしれない。
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