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【コラム】

OS X ハッキング!

166 Intel Mac強化計画 - ユニバーサルバイナリ版"QEMU"、スピードは?

2006/02/16

海上忍

ついにMacBook Proの出荷が開始された模様。しかも、当初案内のあったIntel Core Duo 1.67/1.83GHzではなく、1.83GHz/2.0GHzにアップグレード、しかも価格据え置きという手みやげ持参で。気になるのは発熱ですが、実際どうなのでしょう? こればかりは、試してみるしかなさそうです。

さて、今回は「QEMU」について。GCC 4の不具合によりQEMU 0.8.0をビルドできない状態がしばらく続いていたが、つい数日前この問題を回避するパッチが有志開発者により公開。QEMUの動的バイナリ変換機能のコードがIntel Macに対応しない問題に対応するパッチも完成したため、ついにユニバーサルバイナリ版のQEMU 0.8.0が公開された。いち早くユニバーサルバイナリ版パッケージの配布を開始したQEMUのGUIフロントエンド「Q.app」を利用し、その実力のほどを検証してみよう。

QEMUの特徴

Mac OS Xで動作するフリーなx86エミュレータは数種類あるが、なかでもQEMUは注目度が高い。x86のみならずPowerPCやMIPSなど複数のCPUに対応、稼働実績があるOSの種類も多い。仮想化モジュール(後述)の助けがあれば"現実的な速度"で動作することから、KNOPPIXのようにQEMU上で動作するLinuxディストリビューションもある。

QEMUの特徴には、あるアーキテクチャ向けのバイナリを実行時の環境(ホストCPU)に即したバイナリへと変換する「動的バイナリ変換機能」が挙げられる。Intel Macに搭載されているPowerPCバイナリ実行環境「Rosetta」も、この動的バイナリ変換機能の一種だ。ただし、QEMUはPowerPC→x86のようにダイレクトな変換は行わず、一度中間コードに変換する内部構造を持つことにより、MIPSやARMなど多様なCPUへの対応を可能にしている。

以上の特徴であれば、従来のPowerPC Macでもパフォーマンス的には大差ないが、Intel Macには"仮想化"に対応するかもしれない、という期待がある。QEMUのサブプロジェクト「KQEMU」は、QEMU上に仮想マシン環境を実現、CPUエミュレーションなしにx86バイナリを実行できるため、QEMUのみの環境と比較して(条件にもよるが)数倍高速に動作するからだ。この実装がIntel Macに移植されれば、Windowsなどのx86ベースのOSが実用的な速度で動くかもしれない。ただし、KQEMUはソースコードが公開されていないため、Intel Mac用にはKQEMUのクローン「QVM86」の移植が進められている。

Windows 2000 Professionalを試す

いよいよWindows 2000 Professionalをインストール

前置きが長くなったが、Intel Mac上でのQEMU(Q.app)のパフォーマンスを検証してみよう。利用した設定については、以下の図版を参考にしてほしい。なお、Windows 2000 Professionalをインストールするときのみ発生する不具合(空きはあるのに「disk full」と表示される)を回避するため、Advancedタブの[Windows 2000 Installation Help]をチェックすること。

ゲストPCを新規作成し、[Guest PC]→[Edit Guest PC]を選択して設定を開始する

続いてはゲストOSのインストールだが、今回はWindows 2000 Professionalを選択した。XPは要求されるスペックが高く、メモリ容量が標準(512MB)のままのIntel iMacでは厳しいだろうという予測あってことだ。なお、CD-ROMを差し替える時間を含めてインストールは約一時間で終了、速くはないが我慢できないほどではなかった。

一通り操作した印象だが、動作速度が"往年のPentiumマシン並"ということを除けば、それなりに満足できるレベルだ。多少のストレスは感じるが、音も出るしネットにもつながる、という点は高く評価されてもいいはず。Intel Macで動作するもう1つのx86エミュレータ「bochs」は、お世辞にも実用的な速度とはいえないが、前述した将来性も加味すれば、QEMUをフォローしておいて損はないだろう。

Windowsで名の通ったベンチマークソフト「HDBENCH 3.30」を使用し、客観的な数値も測定してみた。結果は以下に示す図版のとおりで、ディスクRead/Writeが非現実的な値となっているためトータルスコアは鵜呑みに出来ないが、CPU性能(Pentium 200程度?)は体感レベルに合致。QEMUでWindowsを使う際の参考にしていただきたい。

QEMU上でHDBENCH 3.30を実行した結果


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