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【コラム】

シリコンバレー101

102 「ゲームはスポーツか?」、SFで賞金総額42万ドルのゲーム五輪

2004/10/12

Yoichi Yamashita

10月6日から10日にサンフランシスコのCivic Auditoriumで「World Cyber Game(WCG)」のファイナル大会が開催された。世界62カ国から約700人が参加。2000年の誕生以来、はじめて韓国以外の国で行われたファイナル大会であり、来年はシンガポールが会場となる。国際的に開催されるようになったことで、"ゲームのオリンピック"という雰囲気が強まったと言われている。

会場入り口では「エクストリームスポーツ」のデモ

ゲームトーナメントは、「FIFA Soccer 2004」「Unreal Tournament 2004」などPCゲーム6種目、さらにコンソールゲームの「Halo」「Project Gotham Racing 2」(いずれもXbox)を加えた合計8種目で争われた。また、ゲーム競技以外にも、展示会、コンファレンスプログラム、ライブ演奏などのパフォーマンス、BMXのプロライダーによるXスポーツショーなど、さまざまなイベントが用意されており、ゲームプレイヤーでなくても楽しめるイベントだった。

トーナメントは、地元の声援を受けた米国チームが「Counter-Strike: Condition-Zero」でデンマークチームを破って優勝。グランドチャンピオンは3種目で金を獲得したオランダチームが勝ち取った。

さて、話題性という点でも、WCGは"オリンピックのような"ゲームトーナメントだった。最初は、世界62カ国から代表が集まってきたこと、42万ドルの賞金総額などが、これまでゲームトーナメントの存在を知らなかった人たちの関心を集めた。さらに「ゲームで稼ぐプロたち」というような切り口の記事で、トーナメントで数万ドルの賞金を稼ぎ、メーカーとの契約を含めると年収が10万ドルを突破するプロゲーマーが紹介される。そのプロゲーマーたちの稼ぎっぷりと高額賞金のゲームトーナメントが成立する"意外さ"が、広く一般の人たちを刺激した。

トーナメント会場。賞金総額42万ドルだが、頂点に立つのはほんのひと握り

市庁舎前に設置されたメインステージ

面白いのは、このサンフランシスコ大会を実現した影の立役者がパロアルトを本拠とするE2K Sportsだったこと。同社は31年前からNFLのサンフランシスコ49ersのハーフタイムショーをプロデュースしている。スポーツとエンターテインメントの融合という点で、49ersの全国区の人気をサポートしてきた。その同社が「ビデオゲームは、スポーツのような大衆イベントになる」と判断したのだ。

少し話がそれるが、米国では現在、ポーカーブームがちょっとした問題になっている。発端はオンラインポーカーの登場で、カジノのポーカーが身近になったことにある。火を点けたのは、ケーブルテレビのスポーツ専門局ESPNによるワールドシリーズ(World Series of Poker)の中継だった。日本円で3億円近い優勝賞金、オンラインポーカー出身の優勝者の登場などが広く知られるようになって、現在のポーカー人気に至る。ただ、中高生などの間にも賭けポーカーが広まり始め、「ESPNのようなどこの家庭にも入っているチャンネルでポーカー・トーナメントを中継するのはいかがなものか」という批判が起こっている。

ここで言いたいのは、ESPNやE2Kなど、スポーツをビジネスとして成功させてきた人たちが、今、スポーツとゲームの意外な共通性に気づき始めているということ。しばらく前に紹介したファンタジースポーツの人気ぶりも同様である。

E2KのMichael Olmstead社長は、入場者数という点では今回は韓国大会を大きく下回ると予想する。しかし、ビジネスチャンスという点では過去にない成果を上げると期待する。

実際、会場で一般観客の姿はほんとんど見当たらなかったが、200人を超えるプレス関係者を集めていた。それだけで今回は成功と言える。おそらく来年は「賞金総額40万ドル超」という見出しに魅せられた大学生たちが殺到し、予選大会から大きな話題になるだろう。また、多額の賞金が提示されるゲームトーナメントはWCGだけではない。その存在も広く知られるようになった。ESPNのようなテレビ局が、いずれかのトーナメントの中継にふみ切るのも時間の問題に思える。

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