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【レポート】品川から歩いていける未来 - ソニーCSL研究所(2)

2001/01/05

○「これ」と「これ」を手にとればわかるようにする「Wearable Keys」

まもなくBluetoothが普及し始めると、半径10メートル以内の機器が、大量に通信を始めるようになる。さて、半径10メートルといえば、家1軒はまるまる入ってしまうサイズである。この中に入るBluetooth対応の機器は、はたしてどのくらいの数になるだろうか。と考え始めると、ざっと100はくだらない、ということがわかってくるわけである。この時、これとこれをつなぎたい、という場合に、どうしたらよいだろうか、という機器のアイデンティファイの問題を解決しようとするのが、「Wearable Keys」である。

「Wearable Keys」は、人間の身体を流れる生体電流を利用して、モノをつなぐことができる。現在の「Wearable Keys」は、自分をアイデンティファイする機器として、腕時計型のコントローラを想定している。もちろん、前述の「Augmented Surfaces」同様、携帯電話でもよいわけだが。

この「Wearable Keys」の特徴は、人間の生体電流の利用である。つまり、そのひとが、「これ」と「これ」をつなげて使いたいと思ったら、そのふたつのモノを手に取ればよい。ケーブルに代わる無線ということでBluetoothが注目される昨今だが、「これ」と「これ」という明示的な指定には、「Wearable Keys」の示すやりかたのほうが、すっきりくるようにも感じる。つまり、Bluetoothだけでは、機器が大量につながり始める将来には対応できず、もうひとつ先の未来がこの「Wearable Keys」になってくるというわけだ。IDを認識すると、認識したPDAやデジタルカメラのLEDが点灯するようになっている。なお、この生体電流、別に使っていてもビリビリきたりはしなかった。

「Augmented Surfaces」も「Wearable Keys」も、その前提としては、空間全体がコンピュータ化していく、という発想がある。空間全体がコンピュータ化する、というと、よくバーチャルリアリティとかウェアラブルPCというような言葉が聞かれるようになってきているが、ウェアラブルのPCは、いままでとは全然違う発想で作らないとだめで、キーボードを小さくして身につけたりしても、使いにくいだけなんじゃないだろうか、というようなことが、わかってくる。

○空間全体がコンピュータに

空間全体をコンピュータ化する、といえば、ChatScapeである。デジタル写真は完全にコンピュータのひとつの使い方として認知されたが、それをどうコンピュータと融合するのか、という方法のひとつがこのChatScapeだ。ChatScapeは、写真を展示できる掲示板で、新しい写真が次々と積み重ねられていくようになっている。写真は、2枚組になって記録されていて、ランダムに動くために、まるで生き物のように簡易動画として動いている。
掲示板であるから、ネットワークにつないだ各コンピュータからアクセスできる。だがそれだけではなく、CSL的な処理として、プロジェクターを使って半透明のガラスパーティションにも投影されているのである。

写真には、簡単なコメントを追加することもできる。ChatScapeなどは、ほとんどが現在すでに存在する技術でできているので、ごく近々登場してもおかしくないくらいの完成度なのである。CSLの技術が手に入る時期がくるのが、待ち遠しい。その時、それは「未来」なのだ。

(美崎薫)

関連リンク
http://www.csl.sony.co.jp/

【レポート】品川から歩いていける未来 - ソニーCSL研究所(1)
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/01/05/10.html

「Wearable Keys」は、人間の体を通して、複数の機器をつなぐことができる。
「Wearable Keys」。ソニーデザインを施された未来ウォッチ的にも見える。ちょうどTVで「タイムレンジャー」を見たばかりだったので、タイムレンジャーポーズをとってもらった。
「Wearable Keys」でCyberShotをアイデンティファイしているところ。
ChatScape。すぐにでも配布してほしいソフトである。



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