シリコンバレイで広域停電、生命線を切られて四苦八苦のハイテク企業
2001/01/19
カリフォルニア州で電力不足から、17日に約2時間の広域停電が実施された。州全体ではなく部分的ではあったが、今回の節電はシリコンバレイの一部を直撃。シリコンバレイは、工業地域並みに電力を消費しているだけに、突然の停電は地域全体に大きな混乱を招いている。
そもそも、このような節電が行われたのは、カリフォルニア州の電力備蓄量が1.5%を下回ったためだ。1.5%以下になると第3段階の緊急節電措置がとられることになっており、具体的には、電力会社がシステム全体の保持を優先するために部分的に1〜2時間の停電が実施される。
電力の備蓄量が1.5%を下回るような事態になった原因は、電力サービス会社の経営難にある。カリフォルニア州では90年代後半から電力市場を自由化しており、電力サービス会社は自由に電力を調達できるようになったのだ。ところが、カリフォルニア州一帯で発電所が増えない一方で電力需要は急激に増加。その結果、電力自由化は電力価格の高騰を招いた。特に冷暖房を使う季節は需要増が見込まれるため、普段でも高い電力価格が、さらに3倍近くにはね上がる。競争による価格抑制を狙った規制緩和は完全に裏目となったのだ。次第に電力サービス会社の経営は悪化し、その結果が今回の広域停電となった。現在、カリフォルニア州議会では安定した電力供給を最優先して、再規制案を検討している。
第3段階の緊急措置では、電力サービス会社側は停電前に予告する必要はない。だが、今回は1.5%に近づいた数週間前から、停電の可能性を告知していた。そのため、シリコンバレイの企業も他州に設置してあるホストサーバーを点検したり、社員にデータの保存を励行するなど停電対策に努めていた。
Ciscoのように停電時に自家発電装置が稼動して、平常通り運営できる企業は信頼感があり、思わぬところで企業の株が上がる結果となった。また、Intelは社内的に節電プランを立てて、その実施を条件に電力サービス会社と交渉し、事前に停電地域の対象外となった。このように用意周到な企業がある一方で、実際に停電が行われるまで緊急事態を知らなかった企業も少なくない。結果的には電力に頼っているシリコンバレイの不満は他地域を上回ってしまった格好だ。
Intelは電力供給が安定しない限り、カリフォルニア州内に製造施設を建てないと宣言しており、それに習う企業も少なくないようだ。カリフォルニア州の電力問題はシリコンバレイという地域の存在に大きく影響している。
(Yoichi Yamashita)
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