NEC、nano tech 2003で燃料電池駆動のノートPC、携帯電話を展示
2003/02/26
NECは、2月26日より千葉県・幕張メッセ国際展示場で開催されている「nano tech 2003 国際ナノテクノロジー総合展」で、同社の開発した燃料電池で駆動しているノートPCと携帯電話、および将来のモバイルPCのイメージモックアップを展示した。
NECの展示した燃料電池はモバイル機器本体とは別体になっており、ノートPCを駆動していた燃料電池は最大18W程度の出力を持ち、3時間程度駆動できる容量を持ったもの。携帯電話を駆動していた燃料電池は2〜3W程度の出力を持ったもの。いずれも補助電源を使わずに安定動作しているところが実際にデモされていた。大きさについては取材画像を見ていただけばわかるが、いずれも本体に組み込める大きさにはなっていない。
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同社の燃料電池ではダイレクトメタノールと呼ばれる方法を用いており、水素をじかに蓄積せず、メタノールを使って直接発電を行う。メタノールが触媒電極で二酸化炭素と水素イオン及び電子に分解され、水素のみが電解質膜を透過して反対側の触媒電極に至る。同時に取り出された電子は電流として回路を通った後、反対側の触媒電極に至り、そこで空気中の酸素及び電解質膜を透過した水素イオンと結びついて水を生成する。全体で見ればメタノールの燃焼過程になっており、燃焼のエネルギーを電力として取り出している。
NECでは、メタノールを分解する触媒電極にカーボンナノホーンと呼ばれるナノ材料を使っている。カーボンナノホーンは、炭素原子で作られた格子状のカゴのような構造を持ち、これらが集まった単層カーボンナノホーン凝集体を触媒電極に用いている。触媒電極では白金が触媒の役割を果たすが、このカーボンナノホーン凝集体が白金をうまく分散させ、触媒効率を高めることに成功したという。触媒効率を高めることは、燃料電池の出力密度のアップにつながる。
ノートPCを駆動していた燃料電池は最大18Wの出力を持っているが、瞬間的な出力が不足するとのことで、キャパシタを用いて瞬間的な電力利用に対応しているという。今後はメタノールの濃度を上げるとともに、カーボンナノホーンを使った触媒電極の改良による出力のアップに力を入れ、キャパシタを使わなくても対応できるように改良していく方針だ。燃料電池はエネルギー密度が既存の各種電池よりも大幅に高いというが、現在のところ出力密度が小さいという問題があり、出力を大きくしようとすると装置全体が大きくなってしまうという。今後は、触媒の改良による出力のアップとともに、モバイル端末側でも最大消費電力の小さな設計が引き続き求められそうだ。
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| 燃料電池搭載ノートパソコンのイメージモックアップ |
展示されていた将来の燃料電池ノートPCのイメージモックアップでは、キーボード手前の部分にカートリッジ式のメタノールタンクが装備されている。燃料の補充は簡単だろうということだった。実用化の時期については、2004年末から2005年頃を目処に考えているとのことで、意外に実用化が近いことが伺われた。実際の製品の登場が期待される。
国際ナノテクノロジー総合展
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