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モノを識別する"ユビキタスID"の技術を解説 - ユビキタスIDフォーラム開催

2003/04/10

ユビキタスIDセンターは、都内にて「ユビキタスIDフォーラム ICタグによるユビキタス社会の実現」を開催した。ユビキタスIDセンターは、「モノ」を自動認識するためのID体系と周辺環境の整備を行うため、T-Engineフォーラムの中に設立された組織。この日のフォーラムでは、東京大学教授でYRPユビキタス・ネットワーキング研究所所長の坂村健氏による講演や、関連企業を交えたパネルディスカッションなどが行われた。

YRPユビキタス・ネットワーキング研究所所長 坂村健氏

フォーラム冒頭、坂村氏はユビキタスコンピューティングについての概説を行った後で無線ICタグ技術に触れ「最近は何でも民間とか産学連携とか言われるが、無線技術については周波数帯割り当ての問題が発生するので、"官"の介入が必要だ」と話す。しかし、周波数の割り当てには「高度で戦略的な判断が不可欠」だとし、場当たり的な判断は将来に渡る損失を招くと警鐘を鳴らす。例えば、2.4GHz帯の電波は水を加熱する電子レンジの周波数に近く、通信に使用すると人体に危険ではないかという声もある。しかし坂村氏は、水が最もよく吸収するのは22GHzで、電子レンジが2.45GHzを用いるのは低コストで大出力を得られるためなど別の理由があり、「電子レンジに利用されているから2.4GHz帯が特に危険」という意見はナンセンスだと反論。非科学的なイメージだけで議論が進んではならないと指摘した。

無線周波数はもはや過密状態で、割り当て問題が逼迫している
「ユビキタスIDセンターはMITのオートIDセンターと対立」と言われることもあるが、そうではなく友好的関係だと坂村氏はアピール

YRPユビキタス・ネットワーキング研究所副所長 越塚登氏

続いて、東京大学助教授でYRPユビキタス・ネットワーキング研究所副所長の越塚登氏が、ユビキタスID(以下uID)の技術面について概要を説明した。uIDは128ビット長のコードで、あらゆる「モノ」にユニークなIDとして付与することを目的としている。最初の数ビットをコード識別子として利用することで、JANコードやISBNなど既存のコードを吸収して利用できるのが大きな特徴。

ユビキタスIDセンターは、あるuIDがどんな製品を指すかという情報は蓄積せず、どのデータベースに問い合わせれば製品の情報が得られるかという、データベースアドレスの解決のみを行う。ユビキタスIDセンターはuIDの範囲を製品メーカーなどに割り当て、その範囲内で具体的にどの製品をどのuIDに割り当てるかは、製品メーカーなどに任されている形だ。また、uID読み取り機能を持つ機器が近くにあり、その機器の中に情報が格納されていれば即座に情報を取得することができるなど、ネットワークの存在を必要条件としていないことも特徴だ。

また、uIDが普及すると、通りすがりに第三者が買い物袋に読み取り機を近づけて、誰がどこで何を買ったかを他人が知ってしまうような危険も考えられる。これに対しては、店で製品を販売するときに任意のビットをマスクすることで、製品の種類を示すアドレスは残すが、製品1個1個のユニークなアドレスは読みとれなくするといったセキュリティ確保の方法が考えられている。

uIDの特徴
ユビキタスIDセンター自体には個別の情報を蓄積せず、DBアドレスの解決のみを行う

uID空間の割り当て案
識別子に続く部分に既存のコードをそのまま吸収することができる

会場風景

【レポート】情報処理学会セミナー - ユビキタス実現への課題を議論(1)
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/01/30/11.html

「TRONSHOW2003」開幕 - 早くもT-Engineを利用した応用製品が登場
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/12/12/05.html

ユビキタスIDセンター
http://uidcenter.org/


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