【インタビュー】バンダイ・ロボット研究所所長に聞く(1) ドラえもんプロジェクトについて
2003/04/25
昨年5月に開催された東京おもちゃショーにおいて、バンダイは「2010年までに本物のドラえもんを作る」ことを目標とした「リアル ドリーム ドラえもん」プロジェクトを発表した。会場に展示されていたパネルには、第1ステップとして、音声コミュニケーション能力を有する移動型ロボット「ドラえもん ザ ロボット」、第2ステップに複合センシング技術による環境認識型ロボット「ドラえもん ザ フレンド」、そして最終型の第3ステップでは、論理的思考型AIによる自己進化型ロボット「リアル ドリーム ドラえもん」というロードマップが示されており、それぞれ2002年、2006年、2010年という予定になっていた。
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| バンダイロボット研究所所長 芳賀義典氏 |
○ドラえもんロードマップについて
--まず、このロードマップを元にお聞きしたいのですが、発表から1年経った今、現状はどんな感じになっていますか?
まず最初に明確にしておきたいのですが、ここで発表したプランは、あくまでスタート前のプランということです。これからこういう形でやりたい、という意見表明みたいなものですね。ですが、現状、基本的な考えは特に変わっていません。少なくとも「複合センシング技術による環境認識型ロボット」という方向性ではほぼ変わっていません。その先の第3ステップ、最終的にできあがるものでは、自己進化型、要するに、プログラミングがしやすいというか、つまり人間の指示を理解して、自分が賢くなっていくことが必要だと思っています。
ドラえもんプロジェクトは、ドラえもんという分かりやすいキャラクタを実現するという研究をすることで、友達ロボットをどういうふうに実現していくか、というプロジェクトです。最終的な目標は、「リアル ドリーム ドラえもん」と呼ばれる、友達ロボット。それを開発するのが基本的な流れです。
--第3ステップの予定は2010年とありますが、今のところどうですか?
まだ2010年というターゲットは外してません。
--私としては、ぜひ「作ります」と断言していただきたいのですが(笑)
まだ研究ですから(笑)。しかし、今のところ、少なくとも計画の変更はありません。
--ところで、昨年秋に最初の商品が登場する予定だったと思いますが、それはどうなりましたか?
最初にどういう商品を出すかについては、まだ検討中です。商品というのは、例えば「できました、これは100万円です」といっても、これは商品じゃないと思うんですよ。お客さんが、なるほどと納得できる形でないと。我々は、何百万円でも商品を出しさえすればいい、というような方法はとりません。
それと、商品について誤解のないようにしておきたいんですが、我々はドラえもんプロジェクトで夢のドラえもんを作ろうということをやっていますが、これには「プロトタイプ」と「商品」という2つの柱があります。プロトタイプはF1カーのようなもので、その時々の研究成果を詰め込んでいくものです。これは、たとえコストがいくらかかっても、次のステップのロボットに繋がるわけですから、研究テーマとして続ける可能性はあります。一方、商品については、何百万円もするようなものは作りたくない。商品になるときはそれなりにリーズナブルに、研究成果を活かしていく必要があります。
現在、どういうものが最初の商品として適当なのかということを検討しているところです。当初は、ごくシンプルなことを考えていたんですが、そのスペックではやはりドラえもんとしては面白くない。十分なものにするべく、今も開発を続けています。とにかく、万全を期して出したいと思っています。
○Evolution Roboticsとの提携について
--今年1月に発表された、米Evolution Robotics(ER)との提携について教えてもらえますか?
ERの技術の中では、特に画像認識について興味があります。我々は顔を認識する技術については、ゲンテックと2001年から研究しています。これは、顔を認識して、これが誰であるかとか、顔のついている物体が人間かどうかを判断できるような研究です。これは、かなり実用的な技術になってきていて、他社のものよりも安定性が高いのではないかと考えています。まだ間違えるときもありますが、我々がやりたいのは100%の技術ではなくて、どうすれば使える技術になるかという点です。この技術は、顔認識を小型のデバイスでもできるように単純なアルゴリズムになっています。
ERの場合は、完成した技術としてシステムが構築されているので、これを今後の開発に活かしていきたいと考えています。ただ、まだ十分でない点もいくつかありますので、これから研究していく必要があります。これをベースに、使いやすい形にもっていくことになるでしょう。例えば、日本の家の中で使う時に、クリアしなければならない制限とかもいろいろとありますから。
(大塚実)
【インタビュー】バンダイ・ロボット研究所所長に聞く(2) BNシリーズや他のロボット達は?
へ続きます
【2002東京おもちゃショーレポート】「ガンダム」「ドラえもん」のバンダイ、「チョロQ」のタカラが熱い!(1)
Evolution Robotics
http://www.evolution.com/
ゲンテック
http://www.gen.co.jp/
バンダイ ロボット研究所
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