【レポート】50xシリーズで限界のパケット代、次はFOMAへ - 夏野氏が講演
2003/08/29
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| NTTドコモiモード企画部長夏野剛氏 |
モバイルコンテンツフォーラム(MCF)が主催するモバイル関連の展示会「mobidec 2003」が開催され、初日にはNTTドコモのiモード企画部長夏野剛氏が基調講演を行った。「iモード進化論 〜FOMAにつながるiモードの進化」と題した講演を行った夏野氏は、iモードの現状と50xシリーズからFOMAへ移行する戦略などについて語った。
○携帯電話料金はiモードが支える
NTTドコモは現在、欧米のキャリアと提携、iモードサービスを各国で提供している。しかし、欧米市場は日本に比べると圧倒的に遅れている、という。その日本市場は、iモード利用者だけで3,900万人、他社のインターネット接続サービスを加えると6,000万人程度が携帯電話からインターネットを利用している。
現在の主流である505iシリーズは、5月に最初のD505iが発売されて以降、8月発売のP505iで全機種が出そろい、すでに出荷台数は270万台を突破し、極めて好調に売れているという。8月4日の段階で180万台出荷だったことから、1カ月たたずに90万台を売り上げたことになるわけだ。
これほど売れている理由について夏野氏は「液晶のQVGA化やメガピクセルカメラといった端末の基本性能の進化と同時に、それを生かしたFlashやiアプリDX、赤外線リモコンなどといったソフトとハードの連動をきちんと作ってきたこと」を挙げる。「他社の最新機種より(端末価格は)倍ぐらい高いが、それが売れる理由」(同)なのだという。
「1シリーズにつき1,000万人ぐらいはユーザーを獲得している」と自負する夏野氏は、505iシリーズでも1年内に1,000万人を獲得すると明言する。そして今後「(次期ラインナップである)505iSや次期FOMAなど、すべての機種にバーコード(QR)リーダーを採用する」として、QRコードリーダーユーザーが1,000万人を超えるという見通しを述べる。
カメラといえば、一部機種ではメガピクセルオーバーと高画素化が進み、iショットで送受信できないレベルに達している。さらに外部メモリスロットも標準搭載された505iシリーズだが、「(パケット代がかからない)外部メモリはドコモにとってあまり意味がないと言われるが、戦略上、リアルなプリンタなどとの連動を進めようとしている」(同)として、ドコモ側のメリットは薄くてもユーザーベネフィットにつながるため「割り切っている」(同)。
また、F505iに新たに搭載された指紋認証機能にも言及。現在はコンテンツサービスの認証に使うレベルには達していないが、これはサーバー側で指紋登録をするまで活用が進んでいないためで、「技術的には可能」(同)なのだそうだ。とりあえずユーザーの利用を促し、使ってもらうことで認識率・誤り率が技術改善されていくので、「個人的に非常に期待する技術」(同)と将来の有望性を述べる。
さて、こうしたiモード戦略の結果、ドコモの収入構造はどうなったか。iモードユーザーは年内には4,000万人に達する、と夏野氏は予測する。つまり、日本の人口の3分の1がiモードユーザーになるわけだ。マーケットサイズとしては中国や欧州も巨大ではあるが、最も重要な点として夏野氏は、実際にiモードを利用して料金を支払っているアクティブユーザーが90%以上いることを挙げる。
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| 音声のARPUは減少しているが、iモードのARPUが全体の収益を支えている |
音声通話料は確実に減少しているにもかかわらず、ARPU(加入者1人当たりの月間平均収入)はほぼ横ばいを維持している。これはiモード利用によるパケット代がその減少分を支えているためだ。夏野氏によればモバイルコンテンツ市場の立ち上がりが遅れている欧州では、ARPUは減少し続けているようだ。「505iシリーズは経営的に非常にいい」(同)と言うとおり、505iシリーズはFlashやiアプリDXといったリッチコンテンツによって、さらにARPUの上昇に一役買っている。
○もはや限界
しかしそれももはや限界--夏野氏はそう述べる。新端末を出すたびにパケット代は上昇しており、特にJavaを利用しないユーザーに比べて、初のJava搭載端末である503iシリーズのユーザーは2倍のパケットを利用している。505iシリーズのユーザーになると、さらにそれ以上のパケット代金を支払っている。それはつまり、新しい機能を追加すると、それが期待を裏切らず、きちんとユーザーに使われている、と言うことになる。「期待を裏切らないこと。iモードでは絶対に期待を裏切らないように頑張っている」(同)。
しかしその結果、夏野氏自身が「申し訳ない」と語るほど、パケット料金は上昇している。50xシリーズで現状以上のリッチアプリケーションを実現するのは、技術的には可能とのことだが、パケット代やサービスの観点から目いっぱいだという。そこで、よりパケット代の安い3G(FOMA)へと移行する戦略へかじを取る。
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505iシリーズでいよいよ限界に達した、と夏野氏は言う。3Gに徐々に、本格的に移行する時期に来ている、という認識を述べる。iモード(携帯電話によるインターネット)にとってみれば、PDCだろうがFOMAだろうが通信手段は関係ないわけで、PDCからFOMAへの移行の苦しみが克服できた今、「来年度にかけて本格的な普及期が訪れる」(同)FOMAに対して、積極的に取り組んでいく。
実際、FOMA端末はようやく小型化し、サービスエリアもだいぶ広がってきた。現在のFOMA端末は、アプリケーション能力は504iシリーズレベルと、PDCよりも1世代下になっているが、単純計算はできないものの、FOMAのパケット代は平均でPDCの約5分の1程度。それだけでも十分なメリットとなるが、今後、アプリケーション能力が50xシリーズに劣らない、むしろ勝っている端末が出てくれば、いよいよFOMAが普及する、と夏野氏は述べる。
PDCとしての集大成の端末は、505iSになる、と夏野氏。本年度後半には「FOMAで相当なことをやる」(同)と言う。どれほど「相当な」ことをやるのか。詳細は述べられなかったが「わたしがやりますんで」と期待を持たせる言葉で、夏野氏は話をぼかしつつも、その自信のほどを伺わせた。
海外のアクティブユーザーは70万人と、国内に比べれば小規模ながら、「個人的にはうまくいっていると思う」と夏野氏は述べ、5,000万人以上の潜在的なユーザーがいる海外は、本年度には100万人規模になると予測。最後に夏野氏は、「日本の最先端の市場で培ったコンテンツを海外に広げて」とコンテンツプロバイダにエールを送りつつ、「2Gから3G、日本から海外へ広げるために、本年度後半から来年度にかけて大きなことをしていきたい」と抱負を述べて、講演を締めくくった。
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(小山安博)
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NTTドコモのFOMA上昇、累計22万に、来年度は通話料値下げ
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NTTドコモ
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