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「TRONは、どこでもコンピュータを目指す」TRONSHOW 2004で坂村教授が講演

2003/12/11

坂村健 東大教授

11日から開催されたTRONSHOW 2004は、39の企業・団体が出展、昨年の2倍の規模となった。今回の目玉は、9月にTRON陣営と提携した米マイクロソフトが予告していた、両者協調の最初の成果である、T-Engine上で「Windows CE .NET」が動作する環境のデモが実行されたことだ。T-Engineフォーラム会長の坂村健 東京大学教授は「ユビキタス、TRONに出会う」と題して初日の基調講演に立ち、「TRONの最終的な目標は、どこでもコンピュータだ」と述べた。

今年2003年は、TRONの活動にとって大きな飛躍の年だった。ユビキタスIDセンターが設置され、生鮮食料品にICタグを付け、属性情報を読み書きする実証実験が始まり、Linuxや米国のAutoID陣営との連携が進み、さらに9月には、これまで敵対関係にあったといわれていた、米マイクロソフトとの提携を発表した。

坂村教授は「戦うための団体をつくっているわけではない。マイクロソフトともLinuxともけんかしてはいない。一部の報道が、対立の構造をつくりたがっているだけだ」と述べ、他の多様なプラットフォームとの協調が重要であると主張する。

また「20年近くTRONを手がけてきた。TRONは、使うのは自由で、これを基礎にOSを創ってもかまわないし、ほとんど何をしても良い。しかし、自由度が高いあまり、さまざまなTRONが存在するようになり、それらを別の機器に載せるのには手間がかかるようになって、ソフトの開発が困難になった。こうした状況を打破して、T-Engineの単一基盤をつくって、配布する。この共通基盤の上にあるCPUであれば、どれでも、TRONのアプリケーションはすべて動作する」と語り、標準化により「どこでもコンピュータ」の活動を推進していることを強調した。

TRONSHOW開幕の前日、T-Engineフォーラムとサン・マイクロシステムズは、T-Engineプラットフォーム上にJava実行環境を共同で実装したことを発表したが「ここで大きな意味をもつのは、(Javaが)新たにTRONコードに対応したことだ。TRONコードは、日本、中国、韓国の文字を取り扱うことができる。Javaの従来のUnicodeでは、日本、中国、韓国、それぞれの漢字の差異を十分に識別できなかった。アジアの文字も、コンピュータの基本インフラに入っていなければならない。標準というなら、使うかどうかは別にしても、人類の使う文字にはすべて対応しているべきだろう」と指摘した。

最後に坂村教授は「何のためにTRONに取り組んでいくか」について次のように述べた。「日本は戦後50年、さまざまな国の助けを借りて成長、世界第2の経済大国になった。いま、コンピュータの世界で基盤になっているインターネットとパソコンは、90年代に米国が努力したことが、その発展に大きく寄与している。両者は重要なものだが、90年代に確立した技術であり、これらとはちょっと異なるユビキタスは21世紀の技術になる。TRONへの取り組みを続けているのは、ユビキタスの進化に貢献していきたいからだ。日本国憲法の前文を読むと、日本国民は、世界から尊敬、感謝されるような国になることを目指す、と書いてある。日本人として、人類のために仕事をしていく。どの程度まで達成しているかどうかを言いきるのはなかなか難しいが、今年はようやく理解が深まってきた」。

TRONSHOW2004がいよいよ開幕 - ソフト流通の新方式「T-Dist」も稼働
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/12/11/13.html

TRON応用製品向け基盤コンピュータ登場 T-EngineへJava実行環境実装も完了
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/12/10/13.html

噂の二人の気になる関係--TRONとWindowsの握手
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/11/26/06.html

【レポート】TRONプロジェクト20年を迎えた坂村健教授「今は3度目のチャンス」
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/07/29/07.html

T-Engineフォーラム
http://www.t-engine.org/


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