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OSS推進フォーラムが旗揚げ - アジア発のオープンソースソフトを

2004/02/04

情報処理推進機構(IPA)に事務局を置く日本OSS推進フォーラムが4日、設立された。オープンソースソフトウェア(OSS)推進のための方策として、日中韓3カ国での設立が予定されていたもので、すでに設置された中国に続いての設立となった。政府レベルでOSSの普及を図り、日中韓で世界のリーダーシップをとることを狙う。

OSS推進フォーラムは、日本のJISA(情報サービス産業協会)、中国のCSIA(中国ソフトウェア産業協会)、韓国のFKII(韓国情報産業連合会)という3カ国のITサービス産業の団体が、昨年11月の国際シンポジウムで設立に合意したOSS推進のための組織で、国家規模での連携・情報の共有を図るために創設された。

現在、LinuxやOpenOfficeなどをはじめとするOSSは、その普及が進展しているものの、ユーザーが安心して利用するための技術上・制度上の課題や、対応アプリケーション・ミドルウェアなどの不足、その活用方法などで課題が残されていた。しかし、ソースコードが公開されていることから、その成果を再利用したり、さらに機能を向上させたりといった改変が行えるメリットに加え、欧米が中心となっている現在のIT産業においてOSSを推進していくことで、空洞化が指摘されている国内のソフトウェア産業の強化につながるとも考えられている。

そうした観点で日中韓3カ国の意見が一致。OSSを国家規模で推進していくことに決めた。今回設立されたフォーラムの初会合では、経済産業省や総務省の担当者も出席しており、政府としてもフォーラムを後押ししていく姿勢を示した。フォーラムは幹事団とアドバイザリー・ボディ(顧問団)で構成されており、代表幹事の日立製作所取締役・桑原洋氏を始め、幹事団には富士通の秋草直之会長、日本IBMの大歳卓麻社長、NECの金杉明信社長、JISA会長の佐藤雄二朗氏(アルゴ21会長)などといったそうそうたるメンバーが集まり、国を挙げてOSS推進に取り組んでいく。

フォーラムでは、産官学の有識者がOSS発展のための課題について議論し、課題解決に向けた取り組みを行っていくことを目的とする。年1〜2回程度の「日本OSS推進フォーラム」を開催するほか、ワーキンググループ(WG)の設置も予定されており、例えばデスクトップや組み込み関連、標準化、運用管理などの課題について取り組んでいく意向だ。WGではベンダー、開発者、ディストリビューター、コミュニティ関係者など幅広い参加を促す方針。

JISAの佐藤会長

佐藤・JISA会長によれば、現在、特に中国では3つの観点からOSSを政府レベルで強力に推進しているという。(1)国の情報通信技術を特定の1社に任せることはできない(2)TCOの削減(3)豊富な人的資源に対して新しい技術の育成を行うための手段--という3点で、韓国も同様に政府がOSS推進を後押ししているという。

国内でも常々政府関係者からOSS推進を図る声が聞こえていたが、今回推進フォーラムが設立されたことで、より具体的なOSS推進の方策が見えてくることが見込まれる。昨年11月の3カ国間の合意では、政府に対してOSSを調達するよう「強力に提言する」ことが盛り込まれており、今後政府におけるOSSの利用が進むことも考えられる。実際、経産省の豊田局長は会合で「セキュリティ、適切な調達、産業政策の3点からOSSは有用」と、政府のOSSへの期待を述べる。

国内では、IPAがオープンソフトウェア活用基盤整備事業として2003年度から3年間に渡ってOSSの機能・性能強化や応用ソフトの開発などを援助している最中で、2004年度は約9億円の予算が組まれているが、IPAに事務局を置く推進フォーラムが立ち上がったことで、事業がさらに促進されることになるだろう。

さらに3月には北京、7月には札幌(予定)、11月にはソウルで3カ国の推進フォーラムによる会議が計画されており、各国の情報を共有していく。佐藤会長は会合の冒頭、「OSSはアジアからやっていく。アジアで(OSS推進を)進めていこうというビジョンで(3カ国が)合意した」と述べ、3カ国に加えて他のアジア各国とも連携し、世界におけるOSS推進のリーダーシップをとっていく狙いだ。


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