蘭Philips、厚さが変わる流体レンズを開発 - 凸レンズも凹レンズも自由自在
2004/03/04
オランダのRoyal Philips Electronicsは、屈折率の異なる2種類の流体を使い、自由に焦点距離を変えることができる「FluidFocusレンズ」を開発した。ピント合わせに機械的な仕組みが必要ないのが特徴で、デジタルカメラ・カメラ付き携帯電話などでの用途が想定されている。既に直径3mm、厚さ2.2mmのレンズの試作に成功しており、今月18日から24日まで独ハノーバーで開催されるCeBIT 2004で展示される。
人間の眼球では、レンズとなる水晶体の厚みを変えることでピントを合わせているが、FluidFocus技術の仕組みもこれに近い。FluidFocusレンズは、短いチューブ状の容器の中に、導電性の水溶液と、不導体のオイルを封入。この2種類の液体は混じり合わないので界面を形成するが、容器の内側は側面全部とフタの一方に撥水加工が施されているために、水溶液はもう片方のフタ側を底面とした半球状になる。
それぞれの液体の異なる屈折率により、この状態では凹レンズの働きをするが、このレンズの形を変えるのには、"electrowetting"と呼ばれる技術を利用する。FluidFocusレンズの側面には電極が埋め込まれており、直流電圧を加えることで表面張力が変化、電圧を強くしていけば、界面は次第に平面に近くなり、さらには凹凸が逆転するという。この変化のスピードが速いのも特徴とされており、試作段階でも10msec以下という変形時間が達成されている。
用途としては、デジタルカメラ・カメラ付き携帯電話・内視鏡・ホームセキュリティシステム・光学ドライブなどが想定されており、レンズの変形にほとんど電力を消費しないことから、モバイル機器での応用が期待されそうだ。量産プロセスに適しているほか、100万回以上の変形テストでも光学性能の劣化がない高い耐久性も既に実証されている。
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