Microsoft OfficeとOpenOffice.org、どちらを選ぶべきか
2005/04/12
企業が使うオフィス製品は、現在マイクロソフトのMicrosoft Officeが最大のシェアを確保している。しかしMS Officeは、もっとも高額なパッケージだと5万円を超え、他の製品に比べて高い、使わない機能が多すぎる、などといった問題点を挙げるユーザーも存在している。そんな中、最近は、オープンソースで開発される「OpenOffice.org」が登場、企業ユーザーにおいても、MS OfficeとOpenOffice.org、どちらを使うべきか迷っている場合もあるだろう。
マイクロソフトは、OSのLinuxやWebブラウザのFirefox、そしてオフィススイートのOpenOffice.orgなどといったオープンソースソフトウェアの台頭で、それらに対抗することを余儀なくされており、オープンソースソフトウェアに比べて、同社製品にどういったメリットがあるかを繰り返し訴えている。
今回マイクロソフトは、報道関係者向けにOffice製品の企業ユーザーに対するメリットなどを説明、オープンソースソフトウェアへの優位点を訴えた。今回は製品の機能ではなく、MS Officeからの乗り換えにおいて、どういったコストとリスクが存在するか、といった点が説明された。
MS Officeは高いか--。そんな問いに対して同社は、ライセンス価格は必要なコストの一部だと主張する。コストには、(1)移行にかかるコスト(2)サポートコスト(3)トレーニングコスト(4)管理・障害時の対処・メンテナンスにかかるコスト--の4点がある、と同社。さらにリスクも考慮に入れる必要があり、互換性・再現性の問題、企業内ユーザーの再教育、企業内サポートの負荷増大--といったリスクが考えられるという。
具体的には、今までMS Officeを使ってきた企業で、ライセンス価格が無料のOpenOffice.orgに移行しようとした場合、ライセンス価格自体は無料であっても、「メニューが1つ変わっただけでユーザーは迷う」(同社)ため、ソフトを新しくすると、使い方などを教育し直さなければならず、結局そのためのコストが増大する、というのが同社の主張だ。
何らかの障害が起きたときに、それに対処するためのコストについても、同社は十数年来Office製品を提供し続けてきた実績と、Web上の30万件以上の技術情報や高い顧客満足度を得ているサポートなど、「必要なサポートをいつでも提供」(同)している点を強調する。
互換性・再現性の問題について、今回同社は、MS Officeで作られたファイルをOpenOffice.org 2.0のベータ版で開き、さらにMS Office形式で保存した場合の見え方の違いをデモ。デモでは、一部の表現に問題が生じており、それ自体は大きな問題ではないものの、特に日本ユーザーは「(見え方が)90%同じでもダメで、100%同じでないと納得しない」(同社)ことから、移行の際にはそれを手で修正する必要などがあり、やはりコストがかかる、とする。なお、ファイルの互換性について同社では、たとえばWordではWord文書をXML形式で保存するためのWordMLの仕様を公開しており、それを使えば同じ見た目で表現できる、としている。
一般的にIT投資の効果は、コストを抑えて生産性が向上するのが理想とされる。同社は、「もう生産性は大して上がらず、飽和してしまっている。コストはかからない方がいい」と考えてオープンソースソフトウェアを検討している人がいると指摘し、ライセンス価格だけで選ぶべきではないと主張する。
そのほか、Office Updateによる簡単な更新プログラムの提供、Windows XP SP2などに代表されるセキュリティの強化、クラッシュ時のエラー報告や自動回復機能、年間5,000億円にも上る研究開発費の投入などがMS Officeの優位点として挙げられた。ちなみに同社によれば、クラッシュ時のエラー報告を集計した結果、1つのアプリケーションにおけるクラッシュを分類すると、報告されたクラッシュの上位1%が、全クラッシュの半数を占めているそうだ。これはだいたいどのアプリケーションでも共通で、同社はこのデータを、アプリケーションを開発するパートナーに提供している。
また、同社は日本語入力や日本語編集機能、ワープロ文化に受け入れられる操作性の実現といった日本市場のニーズに合う製品や機能の開発を、長年日本人開発スタッフが担当してきた点も強みとして示す。
同社では、こうした優位点や移行に伴うコストなどを、移行を検討している顧客に提示し、顧客が同社製品を選択するよう促している、という。
関連記事
- オープンソースソフトウェアの性能と信頼を測るツール、IPAから[2005/3/23]
- 米MS会長ビル・ゲイツ氏が語る、ビジネスとコンシューマ最大の違いとは?[2005/3/11]
- フリーなオフィススイート「OpenOffice.org 2.0」日本語版ベータ候補が公開[2005/3/7]
- Sunのオフィススイート最新版「StarOffice 8」、ベータ版の配布始まる[2005/2/21]
- ビル・ゲイツ氏、XMLによる相互運用性の価値など力説 - 専用サイトで情報提供[2005/2/4]
- 米MicrosoftがOffice 2003 SP1をリリース、OneNoteとの連係向上[2004/7/28]
- Officeで名刺を管理する、情報を更新する - MS Officeの新ソフトを開発へ[2004/5/27]
- 追加機能の9割はユーザーの要望から - OneNote 2003のSP1がリリースへ[2004/4/21]
- 米MicrosoftがOffice Systemを正式発表、キーワードは「コラボレーション」[2003/10/22]
関連サイト
ヘッドライン
- IPA、OSS情報データベース「OSS iPedia」を刷新[18:55 3/19]プログラミング
- 東北大、鉄系高温超伝導体におけるディラック電子的振る舞いの観測に成功[18:05 3/19]エレクトロニクス
- 東芝、新潟県柏崎市で新型2次電池量産工場の建設を開始[17:58 3/19]エレクトロニクス
- Symbian、GCCでコンパイラ対応プロジェクト「Software Freedom Fighters」[17:49 3/19]プログラミング
- 伊藤忠商事、戸田工業と共同で北米にリチウムイオン電池正極材工場を建設[17:27 3/19]エレクトロニクス
- 昭和電工、樹脂複合材用カーボンナノチューブの量産を開始[17:04 3/19]エレクトロニクス
- 東北大、巨大超弾性歪みを有する高強度な鉄合金を開発[16:18 3/19]サイエンス
- STMicro、CryptoFirewallセキュリティ機能内蔵のSTB用SoCを開発[16:04 3/19]エレクトロニクス
- SEMI、2009年の半導体材料出荷額を発表 - 総額は前年比18.5%減の346億ドル[15:53 3/19]エレクトロニクス
- 住友大阪セメント、リチウムイオン電池向け高エネルギー密度の正極材を開発[15:37 3/19]エレクトロニクス








