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最新CMT SPARCプロセッサ「Niagara」は新世代の「エコ・プロセッサ」

2005/07/27

大塚実

サン・マイクロシステムズは26日、同社本社にてプレスセミナーを開催、来年にも製品の登場が予定されている第2世代CMT(Chip Multi-Threading) SPARCプロセッサ「Niagara」について説明した。タイトルは「新世代のエコ・プロセッサ」とされ、話題の中心は消費電力あたりの処理性能についてだった。

CMTとNiagaraの概要。高スループットを実現する

スレッドが多く、かつネットワーク集約型のアプリを狙う

Niagaraは、同社のビジョン「Throughput Computing」を実現するために導入されたCMT技術を採用するプロセッサ。IBM・Intel・AMDなどを見ても明らかなように、プロセッサ技術の流れはマルチコア化にある。CMTはマルチコアとマルチスレッディングの技術で、Niagaraでは8コア×4スレッド、合計32スレッドを1CPUで処理することが可能となる。第1世代のCMTプロセッサとしては、2スレッド/コアの「UltraSPARC IV」がすでに出荷されている。

「今まではスループットが高いことを中心に話してきたが、今日はそれに加え、消費電力あたりの性能が非常に高いことについて話したい」と、同社マーケティング統括本部・ストラテジストの野瀬昭良氏は切り出す。問題となっているのは、データセンターの運用コストだ。ハードウェアの低価格化に伴い、TCOの中でも運用コストの比重が増加、特に、消費電力に起因する電気料金・空調設備のコスト等が高いとされる。

これまで、システムは「性能指標と価格の2つの基準で選んでいたと思うが、それだけでなくて単位電力あたり、どの程度の処理性能を持っているかが大切になってくる」と同氏。また設置スペースの観点で、単位床面積あたりの性能も重要になるとのことで、同社はブレードサーバーをさらに進めた形として、「SOC(Server on Chip)」、サーバーそのものをオンチップで実装し、CPU密度を上げていくことを考えているという。

電気料金については、米国でのある調査結果を紹介。それによると、消費電力1kWあたり毎月125ドルになるとのことで(システムの消費電力・空調・管理コスト等も含む)、それをもとに同社で試算したところ、2,000台のUltraSPARC IIサーバーを68台のNiagaraサーバーに置き換えることで、3年間のコストは450万ドルから13万8千ドルと3%程度にまで削減。その上、30倍の性能を実現できるという。

同社が試算したという例

試算のその2

Niagaraのアーキテクチャについては、営業統括本部OEM営業本部・主幹部長の栗原伸浩氏から説明された。CMTの基本的な根拠は、コアサイズと性能の関係だ。これまでの歴史は、性能が向上するにつれ、コアのサイズもどんどん大きくなってきた訳だが、サイズが1/10になっても、スレッドあたりの性能は1/2程度になるだけだという。それならば、シンプルな設計にしてコア数を増やした方が、結果的にスループットは向上するという考え方だ。

コアサイズが1/10になっても、性能が1/10になる訳ではない

Niagaraの設計指針。思い切ってシンプルに

コアをシンプルにするため、Niagaraでは数世代前のUltraSPARC IIクラスのパイプラインを採用。8コア、3MBの共有型L2キャッシュ、90GB/secのクロスバースイッチ、4chのメモリコントローラを搭載しても、トランジスタ数は約3億個、ダイサイズは378平方mmに抑えられている。動作クロックは1.2GHz前後になるそうで、消費電力は70W以下を実現(ちなみに、ヒートシンクは触れる程度の発熱だそうだ)。製造プロセスは90nmとなる。

Niagaraの概要。従来とのバイナリ互換は確保されている

ダイの写真を拡大。CPUコアは上下に4つずつ並んでいる

コアがシンプルになったことにより、設計が早くなったほか、バグも少なくなるというメリットがあったそうで、「近年まれに見る順調なプロセッサ」(同氏)だったという。Tapeout 1.0が昨年5月で、ファーストシリコンは昨年7月。一週間くらいでOSが安定して動作したそうだ。Tapeout 2.0は今年1月に予定していたが、2カ月前倒しされており、セカンドシリコンは今年2月、これは1時間でSolarisが起動できたという。

製品の出荷は2006年初頭を予定している。価格は未定だが、エントリータイプの製品となるようだ。ちなみに、第2世代のNiagaraの後は、同社は第3世代の「Rock」も計画している。これはNiagaraとは別設計のコアが採用され、HPC分野にも適用できるものになる見込みだ。


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