JASRACなどとも友好関係を保ちつつ - CCJP主催シンポジウム開催
2006/03/27
27日、Creative Commons Japan(CCJP:クリエイティブ・コモンズ・ジャパン)主催のシンポジウム『「誰でも簡単に使える著作権表示」の未来について考える』が開催された。シンポジウムにはCCJP代表、東京大学法学部中山信弘教授をはじめ、クリエイティブ・コモンズの提唱者であるローレンス・レッシグ教授、日本音楽著作権協会(以下JASRAC)の常務理事加藤衛氏、また、実際にクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを使った活動を展開する法人、企業などが招かれた。CCJPは、2006年から国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)がホストしていた体制を停止、弁護士による新たな事務局メンバーで新体制を組織しており、新体制下での初めてのシンポジウムとなる。
クリエイティブ・コモンズとは、著作権者あるいは権利者が、著作物の使用許諾を、一定の条件のもとに与える考え方。インターネットの普及で、情報流通の自由度が高まる中、知的財産を守れるプラスの意義を保ちつつ、「情報が独占的に扱われるがゆえに、利用や流通の妨げになる可能性」(中山教授)を回避し「利用と流通の促進」(中山教授)をしていこうとする試みの1つとされる。現時点では、国家が規定する法律として存在するわけではなく、著作権者が自らの意思で規定するライセンス(使用条件/許諾)だ。
国際大学GLOCOMが中心となり、CCJPを立ち上げたのが、2003年5月。そのような動きと平行して、既存の版権管理団体が、インターネット時代の版権管理やクリエイティブ・コモンズのような新出の著作物の管理の考え方に、どのように対応していくのか注目されてきた。
シンポジウムに招かれたJASRAC常務理事加藤氏は、パリに本部を置く、CISAC(著作権協会国際連合)と、クリエイティブ・コモンズ団体が頻繁にコンタクトを取り合っていることを紹介。「著作権管理団体とクリエイティブ・コモンズが悪い形で競合しないよう、協力関係を作っていく合意ができてきたと思う。ここ数年で発展的な展開があるのではないか」と述べた。また、JASRACでも3年前に約款を変更し、著作権信託契約時に、演奏権、録音権、付与権、出版権など、一部の権利を除く選択や、一定の条件の下に、楽曲の自己利用ができるようになったことを強調した。
さらに、JASRACがクリエイティブ・コモンズをどう見ているのかについても言及。著作権保護の対象にならないものについても、クリエイティブ・コモンズの表示がなされている現状を指摘しつつ、「そのような(間違った使用などの)情報のフィルタリングをする意味でも、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの情報を集約したポータルを作成したほうがいいのでは?」との意見を述べた。JASRACでは、すでに約150万曲の楽曲の権利管理状況なども見ることができるJASRAC作品検索サービス「J-WID」がある。
この提言に対して、後のパネルディスカッションでは、レッシグ教授から加藤氏に対して、クリエイティブ・コモンズへの協力の可能性についての質問が出た。加藤氏は、J-WIDに「相乗り」する形で、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス情報の集約はできないと明確に否定しつつも、「クリエイティブ・コモンズに対して否定的な考えは持っていない。どのようなことで協力できるかは、今後の相談」と語った。
この他、ニフティでクリエイティブ・コモンズ・ライセンスによるアマチュアクリエイター支援サイト「NeoM rePublic」の担当者からは、クリエイター個人の問題として、「クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで提供されていても、自己規制が強く、改変自由であるにもかかわらず、改変されない。個人の啓蒙も大切。」(同社MOOCS ビジネス部 音楽・映像プロジェクトチーム 黒田由美氏)という意見も出た。
CCJP代表中山教授は、クリエイティブ・コモンズを「著作権という帝国の中の自治都市」とたとえ、著作権法を直接改変するよりも、より現実的に「契約」の中で問題を解決したいとしている。当面の活動としては、今年予定されているクリエイティブ・コモンズver.3を日本法化作業(日本の著作権法との整合性をとりつつ翻訳すること)を行うとしている。
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