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"サイバースクワッター"は許さない - 米MSが撲滅キャンペーン

2006/08/23

Junya Suzuki

米Microsoftは8月22日(現地時間)、「サイバースクワッター(Cybersquatter)」と呼ばれるインターネットドメインの占有で利益を上げる集団を撲滅するキャンペーンを開始し、手始めに4団体を対象にした2件の訴訟を起こしたことを発表した。

「サイバースクワッター」とは、企業やサービス/商品、有名人などに関連した名称のインターネットドメインを取得し、それを高額で売りつける集団または個人を指す。特定ドメインを占拠(Squat)して、その売り買いで利益を上げることからついた造語だ。こうした行為の是非は2000年前後に大きな話題となり、「ドメイン名は商標などの持ち主に帰属するものなのか」という論争を呼んだ。現在では裁判や和解交渉等を経て、こうしたスクワッターからドメイン名が譲渡されるケースも増えてきている。

また最近では、ドメイン売買を目的としたサイバースクワッティング以外にも、既存のサービスやドメイン名を真似たサイトを作り、そこにバナー広告などを貼り付けて利益を得るケースが増えてきている。例えばMicrosoftが「xbox.com」という名称のサイトのみでサービスを提供していたとき、「xbox360.com」という名称のドメインをMicrosoft以外の団体が取得し、ゲームの情報はそこそこに、バナー広告を中心としたページを作って公開することで、「Xbox 360」の情報を期待してやってきたユーザーから広告収益を上げていた。ほかにも「micorosoft.com」や「gooogle.com」など、ユーザーのスペルミス(Typo)を狙ったドメイン名を取得し、同じく広告などを貼り付けたページを作成する「タイポスクワッター(Typosquatter)」の存在も見受けられる。

Microsoftが公開した、サイバースクワッターによって取得されたドメインの一例

米Internet IdentityディレクターのRod Rasmussen氏によれば、Microsoftの商標や知的所有権に関連した語句を含むドメインが1日に2000件以上登録されており、そのうちの4分の1が個人的なサイト、そして残りの75%がこうした組織的なスクワッターによるものだという。「75%というのはだいぶ低く見積もった数字だ。実際にはスクワッターによるドメイン登録は90%に達するだろう」と同氏はコメントしている。今回Microsoftが発表したスクワッター撲滅キャンペーンは、こうした登録商標を侵害して利益を上げる、または企業のイメージを損なう行為を実践している集団を洗い出し、法的手段をもって対抗していこうというものだ。

Microsoftの作戦は3段階に分かれる。第1段階は、サイバースクワッターを商標権侵害で直接訴えることだ。対象となるのは同社の商標を侵害する324のドメインを登録している個人3名、そして85の商標侵害ドメインを登録している1名の計4名で、2件の訴訟をそれぞれの地方裁判所で起こしている。第2段階はこうしたサイバースクワッターの実態を洗い出すことで、個人情報を隠ぺいしてドメイン登録が可能なサービスを提供している業者に対して、同サービスを利用するサイバースクワッターの個人情報を法的手段を用いて明らかにさせる。そして第3段階は、こうしたサイバースクワッティング行為で利益を生み出すドメインのオンライン売買を中止させることだ。

米国では、Anticybersquatting Consumer Protection Act(ACPA)と呼ばれる、商標権を侵害するサイバースクワッティングを禁止する法案が1999年に成立している。これは、商標権保護に関するLanham Actと呼ばれる法案を補完するもので、サイバースクワッティング行為に悩む企業や団体、個人の拠りどころとなっている。今回、MicrosoftはこのACPAを軸に、サイバースクワッターを法的手段で段階的に駆逐していこうとしている。

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