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NTTドコモ、ソフトバンク孫社長に反論「怒り覚える」

2006/10/27

大川淳

ソフトバンクモバイルの新聞広告を批判する、NTTドコモの中村維夫社長

NTTドコモの中村維夫社長は、連結中間決算の発表会見の席上、ソフトバンクモバイルの宣伝手法に苦言を呈するとともに、同社の孫正義社長の一連の発言に強く反論した。MNP(携帯電話番号ポータビリティー)は開始されたばかりで、序盤戦の結果もまだ明確にはわかっていないが、首脳同士の舌戦は早くも過熱気味だ。

中村社長は「(MNP開始前日の)10月23日の夜から言いたい放題にいわれている。ドコモは1兆円、KDDIは5,000億円の営業利益を上げもうけすぎというが、実際にはドコモは8,000億円、KDDIは3,000億円であり、切りのいい数字で自分の言いたいことを強調しているようだが、あまりにいい加減で怒りを覚える」と述べ、普段の会見には見られない強い口調で、孫社長を批判した。

料金プランについては「ゴールドプランとブループラン、2つの料金プランがある。ブループランはドコモより常に210円安いということだが、10月1日から、ソフトバンクモバイルは請求書を封書で郵送にすると100円上げている。当社は、パソコン、iモードで請求額確認できるeビリングでは100円安くしている。iモードは月額200円だが、ソフトバンクは同様のサービスで300円、これだけで200円の差はなくなる。ゴールドプランは、一概にはいえないが、当社には負けるプランはない。ドコモの標準的なユーザーは、2つのプランに入るメリットはまったくない。追随するつもりはまったくない」としている。

また、ソフトバンクモバイルが掲出した「0円」と記された新聞の全面広告を示し「0円と大きく書かれているが、例外が小さい字で欄外に書かれている。発表の仕方に少し疑義がある。他社の料金体系を複雑だと指摘しているが、ゴールドプランなどは時間帯別、曜日別に4つも分かれている。どちらが複雑なのか。日本の携帯電話は世界一料金が高いというが、総務省の内外価格差調査でも、ニューヨーク、ロンドン、パリと比べても東京は高くない。根拠はどこにあるのか」と苦言を呈した。

ソフトバンクが目玉としている音声の定額制については「財務面の問題もあるが、トラフィックの点で、電波に余裕がない。今後さらに端末をFOMAに移行させていくわけだが、音声定額制にしたら、トラフィックは最低でも5倍になる。東京のど真ん中で、一般の通話ができなくなるようなことになる。音声定額制は難しい。iモードのパケット定額制も、トラフィックがどれだけ増えるかわからなかったので、当初『プラン67』だけにしたが、トラフィック量がわかったので、制限をはずしていった」と述べたうえで、「今後も値下げやコスト削減の努力はしていかなければならない。いまのままでいいと考えているわけではない」とした。

さらに、ソフトバンクモバイルが3Gの基地局を、ドコモを上回る4万6,000局に増やすとしていることについては、「当社もソフトバンクもW-CDMA方式なので、基地局は基本的には同じだが、ただ単に基地局を増設するだけでは十分とはいえない。電波のチューニングなど、基地局をどれだけうまく機能させるということが重要だ」と指摘、つながりやすくするには、基地局数だけでなく、付加的なノウハウも必要との見解を示した。

ここまでのMNP全般への評価は「始まって3日過ぎたが、下馬評通り、auが強いようだ。しかし、数はまだこの程度しか出ていないのか、という印象だ。満を持して、というような層がもっといるかと思っていたが、ユーザーは冷静なようだ。ただ、これから、始まってから最初の土、日を迎えるので、その状況を見てみないとわからない」として、もうすこし模様を眺めたうえで「長い目でみていく。じたばたはしない」という。

2006年度の連結中間業績は以下の通り。売上高は対前年同期比0.4%増の2兆3,834億円、営業利益は同7.4%減の5,169億円、当期純利益は同19.6%減の3,098億円で増収、減益だった。携帯電話収入は増加したものの、FOMA端末への移行が急速に進み、端末機器原価が408億円増加したことと、端末販売が予想を下回る実績であることなどが影響し、減益となった。同社はこの結果を受け、今年度通期の業績を見直し、売上高見込みを4兆8,300億円から4兆7,900億円に下方修正した。営業利益は8,100億円で当初予想に変更はない。

中間期の携帯電話収入は、同1.3%増の1兆1,124億円で、各種の割引き施策による減収要因があったが、パケット通信収入は同11.2%増の6,075億円となるなど、全体としては増収となった。ただし、今期の携帯電話収入には、「2ヶ月くりこし」の失効見込み額も計上されており、ほぼ前年並みだ。端末機器販売は同6%減の2,091億円だった。売上高予想は下方修正した。しかし、端末販売数減で、収益連動費を見直したことで230億円、通信設備使用料削減などコストを下げたことで160億円、それぞれ営業費用を抑え、営業利益予想値は据え置いている。


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