【連載】
地デジの足音
1 あと724日の回
2009/07/30
アナログ放送の右上に表示される「アナログ」の文字。毎日ちょっとずつ大きくなっているってほんとう?
民放はNHKの3倍の大きさの「アナログ」表示
アナログ放送を見ていると、だれもが気がつくのが、右上に表示される「アナログ」の文字。アナログ放送であることを知らせて、早く地デジに切り替えてもらうための措置だ。この文字、毎日、だれにも気がつかれない程度にちょっとずつ大きくなっていって、アナログ停波の日には、画面いっぱいに「アナログ」という大きな文字が表示されるようになるという噂が飛び交っている。面白いけど、ほんとうにそんなことしたら、アナログ放送見ている人は怒るだろう。
というわけで、おなじみ「地デジコールセンター」に電話して尋ねてみた。「アナログの文字が大きくなるというようなことはございません」ときっぱりいわれた。ただし、なぜか民放はNHKよりも大きな文字を使っていることが多く、NHKと民放を見た人が「あれ?文字が大きくなっている」と勘違いしたことが、噂の出所のようだ。
画面がどんどん小さくなっていく
アナログの文字は大きくはならないが、一方で、画面がどんどん小さくなっていくことは放送業者の間で取り決めがされている。今年の7月からは、一部の番組がレターボックス放送になり、上下の空白部分にアナログ停波のテロップが表示されるようになる。画面が横長になって、今まで見えなかった端の部分が観れるようになるのはありがたいが、ずいぶんと狭くるしい感じになるのは否めない。告知テロップが表示されるというのも、なんだか時代から取り残されているよう気がして、テレビを観ていてもゆったり、まったりできない感じだ。この方式は、段階的に拡大され、2011年1月からは、全番組でレターボックス放送が行われ、テロップも常時表示されるようになる。このアナログ停波に向けた告知作戦は、全国地上デジタル放送推進協議会(DPA)が立案し、4月23日に開催された総務省地上デジタル放送推進に関する検討委員会(第46回)に提出されている。画面だけでなく、アナログ停波に向けたさまざまな施策が書かれているので、興味のある人は読んでみていただきたい。総務省のサイトの審議会情報で、議事録を見ることができる。
3ヶ月前には、ほとんどアナログテレビは見られない状態に
この告知作戦によると、2011年4月、アナログ停波まであと3ヶ月という段階になると、アナログ放送はものすごいことになる。4種類の放送形式が決められていて、テレビ局がそのうちの一形式を選ぶことになっている。ひとつは画面の面積を1/4にしてしまい、告知を行う方式。もうひとつは通常の放送画面に常時告知テロップを重ねる方式だ。ここまでなら、非常に見づらいとはいえ、番組を見ることができる。しかし、あとの2方式は、まったく番組を見ることができない。ひとつは地デジに切り替える方法を説明するミニ番組が流れるもの。もうひとつは全面テロップだ。このふたつの方式では、番組を見ることはまったくできなくなる。どの方式を採用するかは放送局にまかされていて、また放送局でも番組によって変えることになるが、一般常識で考えて、ニュースや天気予報といった公共性の高い番組、CMなどを番組が見られる最初のふたつに方式にし、バラエティや深夜番組などは番組が見られない後者の方式にするだろう。つまりは、アナログ停波は2011年7月24日正午ではあるが、2011年4月からは、見られない番組がどんどん増えることになる。
読者の中には2011年7月24日のアナログ停波の日まで、アナログテレビで最後の日を迎えてやると決意している人もいると思うが、その日までは「画面がどんどん小さくなり、告知テロップが増えていく」のに耐えていかなければならないのだ。でも、このような対応があるからこそ、アナログ放送を最後まで見続けたいと、気合いを新たにする人もいたりして。いずれにせよ、2011年7月24日、正午12時に、アナログ放送はプツンと一瞬で停波する。
このコラムでは、地デジにまつわるみなさまの疑問を解決していきます。深刻な疑問からくだらない疑問まで、ぜひお寄せください。(なお、いただいた疑問に個々にお答えすることはできませんので、ご了承ください)。
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つい最近までは、右上に「アナログ」のウォーターマークが表示されるだけだった。 |
今年7月からは、上下に黒い帯が表示されるレターボックス放送が始まった。黒い帯にはアナログ停波のテロップが流れる。このテロップが表示される時間は、次第に長くなり、アナログ停波半年前には常にテロップが表示されるようになる |
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アナログ停波3ヶ月前には、通常画面は右下に追いやられてしまい、ほとんど全面テロップ状態になる |
3ヶ月前のもうひとつの方式。番組画面は通常通りだが、テロップが全面にかぶさってしまう。番組を楽しむことはほとんど不可能 |
目次
【連載】地デジの足音
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